芯人

文字数 528文字

「私は、リーダーシップが」
「ポキッ」
「カチッカチッカチッ」
企業インターンシップのため、エントリーシートの下書きしてるときに、シャーペンの芯がなくなった。
厳密に言うと、芯は残っているけれどもう出ない状態である。

私は、この使い道のなくなった赤色のシャーペンに対して何だか自分を生き写しているような気持ちになった。

高校生の時に、ディズニーランドに遊びにいって、仲良かった友達とおそろで買ったシャーペンでキャラクターの柄があり、芯が折れにくくなる機能がついていた。今では、ディズニーのプリンセスの顔は見えなくなり、芯が折れない機能も仕事をしなくなっていたが、私は今でもこのシャーペンを使っていた。

高校生の頃までは、みんなと同じことであるに価値があると思っていた。いつものメンバーで多いものじゃんけんをして、みんながパーを出してずっとあいこになっていた。ただただあいこが続いて、合間の声掛けがどんどんと早くなっていくことを笑い合っていた。

しかし、大人になったらありふれたものに価値はなく、恐れず変化していくものだけがに生き残っていく。
変わらずにいたのか、変わることができなかったのか。ただ変われない私は、詰まっているわけでもないのに、先端に埋もれているのだった。











 

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