第３話
文字数 2,060文字
「さあ今日も始まりました、世界の『ＡＹＡＴＯＲＩ』、あやとりチャンピオン決定選です！実況は綿毛、解説は元世界ヘビー級『ＡＹＡＴＯＲＩ』Ｖ９王者愚糸拳要綱さんでお送りします」
「よろしくおねがいします」
「いやあ愚糸拳さん、本日はヘビー級の若き王者トルイットと最強挑戦者の呼び声が高い綾小路の対戦ですね」
「そうですね、久々のビックマッチですね」
「今回の対戦はＡＹＡ世界ヘビー級チャンピオンのタイトルがかかっています。まず青コーナーから綾小路の入場です！」
「ちょっと綾小路君の表情と関節が硬いですね、もっと手首をほぐさないとチャンピオンの多彩な技に翻弄されて一方的になるかもしれません」
「続いて赤コーナー、王者トルイット選手の入場です！」
「いいフットワークと関節の動きですね。さすがチャンピオン、仕上げてきてますね」
「さあ両者、リング中央へと向かいます。レフェリーがブーツに隠し糸やハサミなど凶器が無いよう入念なチェックをしております」
「そうですね、糸が切れてしまうと反則負けになりますからね。試合巧者になるとレフェリーの一瞬のスキをついて、あやとりを相手が解いている間に切ってしまいますから入念にして欲しいですね」
「チェックの後、レフェリーからの注意となります。なお本試合はＡＹＡルールにより３分１２ラウンド制、相手のあやとりが繰り出されて３０秒以内に取れなければＫＯとなります。ＫＯが無かった場合は繰り出されるあやとりの難易度のポイントで勝敗が別れます。愚糸拳さん、この大戦のポイントは？」
「そうですねえ、王者は『橋』からの『田んぼ』『川』と非常にオードソックスな攻めから」
「そこオーソドックスです」
「失礼、まあそういう基本の手から徐々に自分の得意技、大技に持っていくというまさに横綱相撲のスタイルですね」
「はい」
「片や挑戦者は多彩な技を持っていますから、一気に速攻を仕掛けて相手のかく乱をしてくるでしょうね」
「なるほど」
「ただ、挑戦者の場合ですが、以前に『パンダ』という大技を編み出しましたが、誰にもパンダに見えず反則負けになった経緯もありますから、より慎重さが求められますね」
「ありがとうございました。さあどのような展開になるか、いよいよ試合開始です」
「まず挑戦者が『橋』を作ってスタートですね。そうなると王者は『田んぼ』でしょう」
「さあ王者は…、おっと、王者がいきなり『船』を繰り出した！愚糸拳さんこれは？」
「いやあこれは驚きました。今日は一気に片を付ける気なのでしょうか？」
「さあ挑戦者、意表を突かれたようですが気を取り直して、おっと、『箒』だ！一見単純ですが片方の手が指１本しか掛かっていないという非常に厄介な手です」
「しかも挑戦者は左利きですからね、これは王者困っているはずです」
「さあ王者どのように出るか、おっと、カウントが始まりました。王者このまま取れないか！すーっと王者の手が伸びたあ！これは『川』です！基本中の基本技ですが何とか踏みとどまったあ」
「これは王者、指に来てますね。挑戦者チャンスですよ」
「挑戦者はどのような形にも持って行けます！さあ、どうする！挑戦者の手が伸びて…、おっと『梯子』だ！ここに来てまさかの基本技か？」
「いや、よく見てください！これは基本の『四段梯子』では無く『六段』ですよ！」
「なんと！挑戦者、高度な『六段梯子』だった！」
「これは形もいいですねえ」
「チャンピオン、グロッキーか、このまま負けてしまうのか！チャンピオンの手が…あーっと、伸びたあ！そのまま指をひねりみるみる形を作り上げる！これは！」
「凄い！これは『亀の甲羅』、別名『銀河』です！あの伝説のチャンプ『のび太氏』の必殺技であり超高等テクニックですよ！」
「なんとここでチャンピオンの超大技がさく裂です！挑戦者、一転苦しくなりました！さすがにこれは返せないか！」
「もし返せても基本技にならざるを得ないですねえ。そうすればチャンピオンは一気に決めてくるでしょう」
「さあカウントが始まった！これで決まるのか！残り１０カウント以内に挑戦者が指に指を掛けなければＫＯです！５，４，３，２，おっと、挑戦者の指が動いた！」
「これは複雑な動きですねえ、なにをくりだすのでしょうか？」
「さあ、挑戦者、いったい何を…、オーっと！これは！幻と言われる『１２段梯子』！からの、『東京タワー』だあ！」
「これは最近挑戦者が考案したスペシャル技ですね！タワーにしている分、先が搾り上げられ非常に糸が取りにくいんです！」
「挑戦者が大技を大技で返したあ！チャンピオンの足がふらつき指が震えています！カウントが入ったあ！５、４、３、２、１、終了！挑戦者の逆転ＫＯ勝ちだあ！いやあ愚糸拳さん、見ごたえがありましたねえ」
「実に素晴らしい大技の応酬でした！」
「今、チャンピオン糸が挑戦者の指に巻かれています。挑戦者、２回目の挑戦でついにチャンピオン糸を巻きました。それではこの辺で、実況綿毛、解説は愚糸拳さんでお送りしました。ではまた来週！」
「よろしくおねがいします」
「いやあ愚糸拳さん、本日はヘビー級の若き王者トルイットと最強挑戦者の呼び声が高い綾小路の対戦ですね」
「そうですね、久々のビックマッチですね」
「今回の対戦はＡＹＡ世界ヘビー級チャンピオンのタイトルがかかっています。まず青コーナーから綾小路の入場です！」
「ちょっと綾小路君の表情と関節が硬いですね、もっと手首をほぐさないとチャンピオンの多彩な技に翻弄されて一方的になるかもしれません」
「続いて赤コーナー、王者トルイット選手の入場です！」
「いいフットワークと関節の動きですね。さすがチャンピオン、仕上げてきてますね」
「さあ両者、リング中央へと向かいます。レフェリーがブーツに隠し糸やハサミなど凶器が無いよう入念なチェックをしております」
「そうですね、糸が切れてしまうと反則負けになりますからね。試合巧者になるとレフェリーの一瞬のスキをついて、あやとりを相手が解いている間に切ってしまいますから入念にして欲しいですね」
「チェックの後、レフェリーからの注意となります。なお本試合はＡＹＡルールにより３分１２ラウンド制、相手のあやとりが繰り出されて３０秒以内に取れなければＫＯとなります。ＫＯが無かった場合は繰り出されるあやとりの難易度のポイントで勝敗が別れます。愚糸拳さん、この大戦のポイントは？」
「そうですねえ、王者は『橋』からの『田んぼ』『川』と非常にオードソックスな攻めから」
「そこオーソドックスです」
「失礼、まあそういう基本の手から徐々に自分の得意技、大技に持っていくというまさに横綱相撲のスタイルですね」
「はい」
「片や挑戦者は多彩な技を持っていますから、一気に速攻を仕掛けて相手のかく乱をしてくるでしょうね」
「なるほど」
「ただ、挑戦者の場合ですが、以前に『パンダ』という大技を編み出しましたが、誰にもパンダに見えず反則負けになった経緯もありますから、より慎重さが求められますね」
「ありがとうございました。さあどのような展開になるか、いよいよ試合開始です」
「まず挑戦者が『橋』を作ってスタートですね。そうなると王者は『田んぼ』でしょう」
「さあ王者は…、おっと、王者がいきなり『船』を繰り出した！愚糸拳さんこれは？」
「いやあこれは驚きました。今日は一気に片を付ける気なのでしょうか？」
「さあ挑戦者、意表を突かれたようですが気を取り直して、おっと、『箒』だ！一見単純ですが片方の手が指１本しか掛かっていないという非常に厄介な手です」
「しかも挑戦者は左利きですからね、これは王者困っているはずです」
「さあ王者どのように出るか、おっと、カウントが始まりました。王者このまま取れないか！すーっと王者の手が伸びたあ！これは『川』です！基本中の基本技ですが何とか踏みとどまったあ」
「これは王者、指に来てますね。挑戦者チャンスですよ」
「挑戦者はどのような形にも持って行けます！さあ、どうする！挑戦者の手が伸びて…、おっと『梯子』だ！ここに来てまさかの基本技か？」
「いや、よく見てください！これは基本の『四段梯子』では無く『六段』ですよ！」
「なんと！挑戦者、高度な『六段梯子』だった！」
「これは形もいいですねえ」
「チャンピオン、グロッキーか、このまま負けてしまうのか！チャンピオンの手が…あーっと、伸びたあ！そのまま指をひねりみるみる形を作り上げる！これは！」
「凄い！これは『亀の甲羅』、別名『銀河』です！あの伝説のチャンプ『のび太氏』の必殺技であり超高等テクニックですよ！」
「なんとここでチャンピオンの超大技がさく裂です！挑戦者、一転苦しくなりました！さすがにこれは返せないか！」
「もし返せても基本技にならざるを得ないですねえ。そうすればチャンピオンは一気に決めてくるでしょう」
「さあカウントが始まった！これで決まるのか！残り１０カウント以内に挑戦者が指に指を掛けなければＫＯです！５，４，３，２，おっと、挑戦者の指が動いた！」
「これは複雑な動きですねえ、なにをくりだすのでしょうか？」
「さあ、挑戦者、いったい何を…、オーっと！これは！幻と言われる『１２段梯子』！からの、『東京タワー』だあ！」
「これは最近挑戦者が考案したスペシャル技ですね！タワーにしている分、先が搾り上げられ非常に糸が取りにくいんです！」
「挑戦者が大技を大技で返したあ！チャンピオンの足がふらつき指が震えています！カウントが入ったあ！５、４、３、２、１、終了！挑戦者の逆転ＫＯ勝ちだあ！いやあ愚糸拳さん、見ごたえがありましたねえ」
「実に素晴らしい大技の応酬でした！」
「今、チャンピオン糸が挑戦者の指に巻かれています。挑戦者、２回目の挑戦でついにチャンピオン糸を巻きました。それではこの辺で、実況綿毛、解説は愚糸拳さんでお送りしました。ではまた来週！」
