1-7 秘密だった力
文字数 607文字
急に白くて無機質な道路が終わる。先に続くのは舗装のしていない道路で、土が剥き出しだった。
すぐに煉瓦作りの大きなプランターの列に突き当たった。中には成人男性ほどの背丈の木が植えてある。
植木の上から辛うじて見えるのは、芝生の広場とその中央に立っている温室のようなガラス張りの建物。あまりに違う景色である。
だが、
この力は家族以外では
小さくお礼を言った後、永 は駆け出した。
その温室の入口に着くと、
中央に大きな木が植えられていて、その下で一人の少女が椅子に腰掛けて、本を開きながらこちらを見ていた。
肩ほどまで伸びた黒い髪で、白いワンピースを着ていた。