プロット

文字数 1,562文字

『地球防衛ムラオコシ』プロット

■起
21XX年、日本。地球防衛庁・怪獣災害対策課。通称『カイサイ』。巨大怪獣の襲来が予測され結成された組織であるが、結局巨大怪獣は現れなかった。
それから50年。カイサイはすっかり縮小され、もはや窓際組織となっていた。

そんな、カイサイで働く隊員たちは、皆、大の怪獣オタク。
隊長の俺田大徳は、シミュレーションゲームで怪獣と戦い、キザな瀬山三蔵は、怪獣の話ばかりしすぎて女性に嫌われ、御手洗由野は、部屋中に怪獣の模型をつくりまくる。
皆、暇を持て余しながら、一向に訪れない、巨大怪獣との戦いの日を夢見ていた。

副隊長の羽佐間九郎は、そんな一癖も二癖もある上司・同僚に翻弄されながらも、彼らのような熱意や拘りを持たない、地味な自分に悩んでいた。


■承
ある日、ネオグンマ県の巣子戸村(すこっとむら)の脛湖(すねこ)で、巨大生物を目撃したとの情報を得る。喜び勇んで村に向かう隊員達。

しかし脛湖は、小さな小さな湖だった。およそ巨大生物なぞ居そうにない湖にがっかりしながら、一応の調査をする隊員達の前に現れたのは、村長の河田と村役場の波田野。
「調査を辞めてくだされ~。ノッシーちゃんがかわいそうじゃ」
「ノッシーちゃん?」

巣子戸村は今回の巨大生物目撃騒ぎに便乗して、「ノッシーちゃん」というキャラクターを作り上げ、村おこしを図ろうとしていた。既にお菓子、Tシャツ、果てはスマホゲームまで、様々な商品に着手しているのだという。
「怪獣がいないことが分かってしまったら、ブームが作り出せません!」
巣子戸村は、急激に勢力を増した隣町に、吸収合併の圧力をかけられていた。村を守るために、どうしても村おこしをしたいのだという河田。

「調査もなにも、この小さな湖では、怪獣はいないかと……」と、やんわり事態を治めようとする羽佐間。
村を後にしようとしたが、気づけば3人がいない。

瀬山は、村の女性をナンパしようとして、そのまま作業を手伝うことに。
由野は、村でつくっているノッシーちゃんの着ぐるみの造形が気に入らないと、勝手に直しはじめる。
田舎育ちで情に厚い俺田は、河田と意気投合。
結局、羽佐間も含めたカイサイの隊員達は、村民の手伝いを請け負うことになってしまう


■転
それぞれの特技と、持ち前の怪獣愛で、村の活動に貢献していく隊員達。羽佐間は、湖の調査と村の手伝い、隊員達と村民達に挟まれ、駆け回りながら、結局は村おこしの為に奮闘する。

そんな中 隣町の町長が現れ、吸収合併の承認を強硬に求める。さらに役場の波田野が隣町のスパイであることが発覚。巣子戸村の作戦や、怪獣がいないという事実がばれてしまう。

「地球防衛庁の方が、こんなところでサボっているなんて、公になったらマズいんじゃないですか?」
更にはカイサイの隊員達も脅され、絶体絶命。

その時、突如湖から巨大怪獣が現れる。小さな湖に本当に怪獣がいたのだ!
「うわ! マジ! 本当にいたよ! すげ! 写真撮りたい写真!」
「名前なににする? えーと、ドルギラスとか? あーそれとも――」
「武装使わなきゃ。えーと、操縦どうやるんだっけ?」
突然のことに焦り、なにより本物の怪獣にはしゃいでしまい、役に立たない隊員達。
そんな中、羽佐間だけは、冷静に対処し、巨大怪獣を追い払うことに成功する。


■結
巨大怪獣が実在したこともあって見事村おこしに成功した巣子戸村。
怪獣を追い払ったことでほんの少しだけ評価を上げたカイサイは、逃げた巨大生物の対応の為、予算も確保することにも成功する。

そして羽佐間は、その冷静な対応を評価され、少しだけ自分に自信を持つことが出来たのだった。
「夢中になれることがなくても、それはそれでいい。見つかったら、それもいい」
相変わらずなカイサイの隊員達に挟まれながら、羽佐間はそう思うのだった。
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