第3話 鬼の目玉を打つ
文字数 404文字
河童不動産に鬼が来た。河童のなずなが電話を終えて近寄った。
「これは大山の鬼さま。額の目玉に何やら数字が入っていますが」
大山の鬼が唸ってポトリと目玉を取る。
「あれま、これは人間がやるゲートボールの玉ではないですか」
「爺婆が何を間違えたのか木の下で乾かしていた目玉を、玉と取り違えたんだ」
「あのお、なぜ、目玉を乾かす事態に?」
「ひどい花粉症でな、目が痒くて仕方がなくて湧き水で洗って少し乾かしていたんだ」
鬼は肩を落として嘆いた。
「自分の失態だから、自分で取りに行こうとしたんだが、爺婆は目が悪い。俺の目だと気づかずにあっちこっち木の棒で打つものだから、目が回ってうまく歩けないのだ」
身体中にすり傷や痣が出来ている。
「急ぎ、変身の得意な者に取りに行かせましょう」
狐と狸が競うように人間に化けて行ったが一向に帰ってこない。河童が様子を見に行くと狐と狸が爺婆に筋が良いねと煽てられ、鬼の目玉を打っていた。
了
「これは大山の鬼さま。額の目玉に何やら数字が入っていますが」
大山の鬼が唸ってポトリと目玉を取る。
「あれま、これは人間がやるゲートボールの玉ではないですか」
「爺婆が何を間違えたのか木の下で乾かしていた目玉を、玉と取り違えたんだ」
「あのお、なぜ、目玉を乾かす事態に?」
「ひどい花粉症でな、目が痒くて仕方がなくて湧き水で洗って少し乾かしていたんだ」
鬼は肩を落として嘆いた。
「自分の失態だから、自分で取りに行こうとしたんだが、爺婆は目が悪い。俺の目だと気づかずにあっちこっち木の棒で打つものだから、目が回ってうまく歩けないのだ」
身体中にすり傷や痣が出来ている。
「急ぎ、変身の得意な者に取りに行かせましょう」
狐と狸が競うように人間に化けて行ったが一向に帰ってこない。河童が様子を見に行くと狐と狸が爺婆に筋が良いねと煽てられ、鬼の目玉を打っていた。
了