第2話
文字数 498文字
「悔いはないのか、ハロリン辞めて?」
「ああ、一切」
その日の夜、僕は学生時代の友人と居酒屋で飲んでいた。
「公務員で安定しているし、倒産もないし、文句ないじゃないか」
「そのまま結婚して、子供を産んで育てるならね。でも、僕は自分の可能性を試してみたいんだ」
「勇者になったり?」
「そう。魔王やドラゴンと闘い、人々に平和をもたらすんだ」
「お前にそんな一面があったとはなあ」
「はは、恥ずかしいから隠してたんだよ」
「お前なら出来るよ!」
「頑張るよ!」
**********
こうして異世界へ転生。
勇者となるチャンスを待ちながら、育っていった。
そして、28年が過ぎ去った。
今、僕は異世界の地方役所で働いている。業務は仕事を探し求める人々と鍛冶や大工などのギルドとのマッチングだ。求人者の性格などを見極め、一番合致する職業を選び弟子入り先を選ぶのだ。
ふと、気がついた。
あれ、前世とやってる事同じ?
少し憂鬱な気分になりながら帰宅した。
「パパ、お帰り!」
「あなた、お疲れ様」
耳の尖ったエルフの妻と子供が笑顔で出迎えてくれた。
美味しそうなシチューの匂いが家に漂っている。
異世界で勇者にはなれなかった。
でも、これで十分幸せだ。
「ああ、一切」
その日の夜、僕は学生時代の友人と居酒屋で飲んでいた。
「公務員で安定しているし、倒産もないし、文句ないじゃないか」
「そのまま結婚して、子供を産んで育てるならね。でも、僕は自分の可能性を試してみたいんだ」
「勇者になったり?」
「そう。魔王やドラゴンと闘い、人々に平和をもたらすんだ」
「お前にそんな一面があったとはなあ」
「はは、恥ずかしいから隠してたんだよ」
「お前なら出来るよ!」
「頑張るよ!」
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こうして異世界へ転生。
勇者となるチャンスを待ちながら、育っていった。
そして、28年が過ぎ去った。
今、僕は異世界の地方役所で働いている。業務は仕事を探し求める人々と鍛冶や大工などのギルドとのマッチングだ。求人者の性格などを見極め、一番合致する職業を選び弟子入り先を選ぶのだ。
ふと、気がついた。
あれ、前世とやってる事同じ?
少し憂鬱な気分になりながら帰宅した。
「パパ、お帰り!」
「あなた、お疲れ様」
耳の尖ったエルフの妻と子供が笑顔で出迎えてくれた。
美味しそうなシチューの匂いが家に漂っている。
異世界で勇者にはなれなかった。
でも、これで十分幸せだ。