文字数 233文字

 男の頭上には……傘。血塗れの傘。
 左肩をふと見る。そこには血塗れの左手がこのビニール傘を持っていた。女の綺麗な手だ。

 男はまるで何が何だか分からない。しかしこれが尋常ではない状況なのだけは分かる。しかし恐怖で足が動かない。首元に息づかいを感じる。おそらくこの傘を持っている女だろう。

 男の背中に柔らかい感触が。女が男の背にもたれ掛かったのだ。
そしてその息づかいは耳元へ。

『ね゛ぇ゛……ア゛レ゛と゛っ゛て゛』

 血塗れの女の手が指差した先にはーー。
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