第1話
文字数 496文字
「晩成型ですね」
占いなんて信じてなかった。
今も信じてない。
10代の頃、彼女が行きたいと言うから行った。
評判の占い師。
僕はロックバンドに執心してたから、その事を聞いた。
大きな、もともと農家の様な古民家。
しかし、内も外もきれいに改装されている。
お金持ち。
そりゃそうだ。
お心付け。
貧乏な僕らだって2万包んで来た。
これで良いかな?と、内心どきどきしながら。
「バンドはメンバーに恵まれれば成功するでしょう」
占いでは、なかった。
このおばさん、ちょっとした眼力、人生経験からなのか、どういうわけか備わった人を見る目で人生相談を受けて、それを占いという事にしてる。
彼女が聞きたかった僕との未来についても、要領を得る答えは聞けなかった。
内心損した、と不服そうな彼女を「占いなんてこんなもんだよ」となだめながら、堪えていた。
ずばり。
あまりの幼さ。
当時の僕はあまりに子供で、まるで世間を知らなかった。
空っぽさ。
僕には、なんにもなかった。
誰かの力無しに、何も出来るはずはなかった。
痛いとこを突かれたな。
どういうわけか、僕はそれを重々承知で、そのままで生きて行こうと思ってたから。
で、そうやって生きた挙げ句のこのザマ。
占いなんて信じてなかった。
今も信じてない。
10代の頃、彼女が行きたいと言うから行った。
評判の占い師。
僕はロックバンドに執心してたから、その事を聞いた。
大きな、もともと農家の様な古民家。
しかし、内も外もきれいに改装されている。
お金持ち。
そりゃそうだ。
お心付け。
貧乏な僕らだって2万包んで来た。
これで良いかな?と、内心どきどきしながら。
「バンドはメンバーに恵まれれば成功するでしょう」
占いでは、なかった。
このおばさん、ちょっとした眼力、人生経験からなのか、どういうわけか備わった人を見る目で人生相談を受けて、それを占いという事にしてる。
彼女が聞きたかった僕との未来についても、要領を得る答えは聞けなかった。
内心損した、と不服そうな彼女を「占いなんてこんなもんだよ」となだめながら、堪えていた。
ずばり。
あまりの幼さ。
当時の僕はあまりに子供で、まるで世間を知らなかった。
空っぽさ。
僕には、なんにもなかった。
誰かの力無しに、何も出来るはずはなかった。
痛いとこを突かれたな。
どういうわけか、僕はそれを重々承知で、そのままで生きて行こうと思ってたから。
で、そうやって生きた挙げ句のこのザマ。