第1話

文字数 794文字

お風呂上がり、

SNSを見ていたサナのもとに、

新規着信が届いた。

見ると、それは

付き合って一年ほどになる彼氏、

涼介からのメッセージだった。

次の土曜日、空いてる?
えっ!
うん、空いてるよ
急にどうしたの?
あのさ……
そろそろ付き合って一年だよな
うん、そうだね
デートとか、俺ら今まで片手で数えられるくらいしか行ってないわけよ
最後に二人で出かけたの、半年くらい前だよね
だってー
テストとかあったし、お互い予定が合わなかったしさ
んで、一周年記念は、あの有名な遊園地にでも行こうかなあと思いまして
えー
ほんとに行くの?
ていうか、涼介の家、友達と遊ぶの許されないんでしょ?
あぁ……
クソ厳しいからな
俺の親
だったらお金もらえないじゃん
だからー
俺、お前と付き合ったあたりからバイト始めたの知ってるだろ?
そういえばそんなことも言ってたね
たしか、○○駅前のカラオケ店で働いてるんだっけ?
私も昔働いてたとこ
えっ、あ……うん
でもさあ
涼介って一人暮らしでしょ?
家賃もまだ半分も払ってないんでしょ?
こんなデートなんかにお金使っていいの?
デート「なんか」って!
サナと過ごす時間は、俺にとっていちばん大切な時間だから
無理しないでよ?
まだ給料日前なんでしょ?

家賃もおととい今月分払ったんでしょ?

金なら大量にあるから!
だから平気だって!
えっ?
つーか、昔のアパートはもう取り払ったんだよ!
今もう、家賃15万のいいトコに住んでんだから!
普通に金も有り余るくらい持ってるし
えっ、ちょっと待って
どういう事なの?
全然理解できないんだけど
さっきも言っただろ
俺にとっていちばん大切なのはサナだって
だったら親くらい、どーにでもなんだよ
……まさか、涼介……
あいつらは俺とサナを散々ジャマしてきた
このままじゃ、サナの命も危なかったんだよ!
殺しでもしねーと、俺とサナの関係ぶっ壊れるだろ!!
サナはメッセージトークを終了させた。
そして、そっと彼の連絡先を削除した。
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