鈍色の空

文字数 262文字

鏡の中の表情(いろ)のない少女
細い手首の傷を見つめている
瞳の奥の僅かな灯火は
少しの風でも吹き消されそうだ

 綺麗な自分に戻れたのなら
 あの人のそばに居れるだろうか
 こんな私を知ったらきっと
 背中をむけてしまうだろう

息を殺してうずくまる少女
弱い心を必死に守っている
夜が終われば後悔ばかり
涙の跡が乾くことはない

 綺麗な自分に戻れたのなら
 あの人のそばで笑いたい
 もしも真実を知ったとしたら
 どんな目で私を見るだろう

鈍色の空 暗く、霞む
涙も叫びも笑顔に隠す
心擦り切れるまで泣いて、泣き尽して
明日も、君のことを想っていいですか

想っていいですか
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