第1話

文字数 578文字

(あれ、スマホが落ちてる……。


誰かの、忘れものかな……?)



私、楠ほのか。高校1年生。


今日は学校の中庭の掃除当番の日なんだ。


そんな訳で掃除をせっせとしていたら、


ベンチの上にスマホが落ちてるのを発見した。

(うーん……持ち主の人困ってそうだな。


拾っておいてあげようかな……)

そう思っていたところに、着信音が鳴った。


画面には”涼太”と表示されている。

(え、わ、わ、どうしよう? 持ち主の友達? 


それとも、もしかしたら持ち主……かな?



……と、とりあえずでてみようか、えいっ……)

あ、も、もしもし?
あーもしもし?
あの、スマホを拾ったものですけど……
あ、よかった、それ俺のスマホなんだ。今は友達にスマホ借りて電話してる
あ、はい……
そこ学校?
はい、学校の中庭です

あ、よかった。変なところに落としたかとひやひやしたよ。


優しそうな人に拾ってもらって、よかった

え、いえ……
あの、さ
はい

悪いけど、スマホ、今日はちょっと用事があって取りに行けないから、


もしよかったら、しばらく持っててくれないかな?

え……!? 


あ、はい、大丈夫、ですけど

よかった。



じゃあ明日の放課後取りに行くから、学校の中庭で待ち合わせ、でいい?

はい……分かりました
えーっと君、名前は?
楠ほのかです
俺は星ヶ谷昴。


それじゃまた明日、放課後の中庭で

そこで電話はぷつんと切れた。
(なんだか、優しそうな感じの人だったな……)
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登場人物紹介

ほのか

落とし物のスマホ

ほのかのスマホ

ほのかの兄

七海

生徒

生徒

???

???

???


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