アックスマン

エピソード文字数 446文字

 むかし、むかし、ある大男が、川のそばで人間の首を切っていました。
 ところが手が滑って、持っていた斧を川にどぶんと落としてしまいました。
 男は困ってしまい、ぷかぷかと煙草を吸いはじめました。
 斧がないと、人殺しができないからです。
 すると川の中から神様が出てきて、ぴかぴかに光る金の斧を見せました。
「おまえが落としたのは、この斧か?」
「違う。おれが落としたのは、そんなりっぱな斧じゃねえ」
 すると神様は、つぎに銀の斧を出しました。
「では、この斧か?」
「いや、そんなじょうとうな斧じゃねえな」男はイラッと地団駄を踏みました。
「では、この斧か?」
 神様が三番目に見せたのは、使い古した血塗れの斧でした。
「そうだ、(じじ)いなかなかやるじゃねえか!」
「そうか、おまえは正直で、かの有名な斧男(アックスマン)だな」神様はふむふむと感心して、金の斧も銀の斧も男にくれました。「なにごとも純粋であれ」
 男はブーツで煙草をもみ消しました。「あんた――神様じゃねえだろう?」
 
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