へんな薬

エピソード文字数 382文字

 わたしはへんな薬を飲む。
 からだじゅうにローションを塗りたくり、今宵も彼女とミックス・レスリングに興じる。二百九十八人の賢者たちなど必要ない。
 そして、ついに、わたしの哲学が生まれた。「この世は汚い数字のみでできている」

 ふと、わたしの定理が思い浮かんだ。
 ちびた鉛筆で原稿用紙に書くとしよう。
 ぶるぶる震える手で、えっちらおっちらと書きあげた。

『M・クイーンの定理』
 長距離走者の孤独>死のロングウォーク>ラストサバイバル>バトル・ロワイアル>ハンガー・ゲーム=美しい

「アラン・シリトーよ、永遠なれ――」


 数時間後、正気に戻ったわたしは水をしこたま飲んだ。
 WEB小説投稿サイトの読者諸賢は、わたしの新作を心待ちにしている。
「つぎの作品を書かなければ……」
 ノイローゼになった顔のまま、わたしは、また、へんな薬を飲んだ。

 
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