女豹

エピソード文字数 273文字

 彼女はサディストだった。
 狙った獲物は逃さない。
 黒いラヴァスーツに身を包んだプロの殺し屋だ。
 まるで美しい黒猫のようにしなやかな獣。
 女は「ミャオ」と鳴いた。
 背後から男の背中を思いっきり突き飛ばした。
 男は断末魔の悲鳴をあげた。
 岩塩をたっぷり含んだテキサス州の崖からまっさかさまに急降下――万有引力に吸い込まれたずっしりと目方のある肉体は波打ち際の岩山に激突した。
 青い満月が雲間に隠れた。
 だが彼女は夜目が利く。
 死体をぱちっと片方の眼で確かめた。
 彼女のセクシーかつ真っ赤な唇は、しだいにゆっくりと曲線を描いた。
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