2-5 ニガテなあの娘

文字数 800文字

 じゃあ、とりあえず下校するのを待ち伏せ──

 (はるか)が時刻を確認しながらこの後のプランを立てようとしたその時、蕾生(らいお)の後ろからひょっこり顔を出す人物がいた。


 銀騎(しらき)星弥(せいや)だった。

 あのー
 ヒエッ!
 ああ、よかった、追いついて


 えっと、3組だよね?

 あ、ああ……
 3組の学級委員の人に伝えて欲しいんだけど、生徒会が配った1年生のアンケートがまだ出てなくて──
 あ、学級委員ならこいつ
 ああ!

 そう、ハイ、僕です

 そうなの?

 わあ、ちょうどよかった


 クラスで集めて明後日くらいまでに生徒会に出してくれる?

 ああ、遅れてゴメンナサイ


 でもなんで銀騎(しらき)さんが?

 あ、わたし、役員じゃないんだけど、たまにお手伝いしてるの


 1年生の連絡係みたいな

 へえー、そうなんだー!
(いつもの調子が全然出ねえじゃん)
 じゃ、じゃあ、集めたら銀騎(しらき)さんに渡せばいいかな?
 え?

 あ、うん、それでもいいよ


 えっと……

 あ、僕、周防(すおう)(はるか)


 こっちのでっかいのが(ただ)蕾生(らいお)っていうの

 周防(すおう)くんと、(ただ)くん……だね


 それじゃよろしくね

 呼び止めてごめんね

 いいええ、どうもお疲れさんです

(ヘラヘラ)

 (はるか)が愛想よく手を振ると銀騎(しらき)星弥(せいや)も軽く手を振って足早に花壇へと戻っていった。
 はあー!

 やっぱだめだ、あの子、僕苦手

 (はるか)、どうした?


 いつもの余裕が全然なかったな

 ……なんだろうね、銀騎(しらき)の関係者だって思うから変に緊張するのかな
 そうなんじゃねえの?


 とにかくもう一度話しかける機会ができたな

 そうだね、ラッキー


 じゃあ、帰りながら明日の対策をたてようか

 なるべく自然なやつな
 わかってるって!
 もうすぐ陽が落ちる。明日こそはこっちが主導権をとってやるんだと(はるか)は意気込んでいた。
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登場人物紹介

唯 蕾生(ただ らいお)


15歳。男子高校生

怪力なのが悩みの種

九百年前の武将、英治親の郎党・雷郷の転生した姿


周防 永(すおう はるか)


15歳。男子高校生

蕾生の幼馴染

九百年前の武将・英治親の転生した姿


御堂 鈴心(みどう すずね)


13歳。銀騎家に居候している少女

英治親の郎党・リンの転生した姿

永と蕾生には非協力

銀騎 星弥(しらき せいや)


16歳。高校一年生

銀騎詮充郎の孫で、銀騎皓矢の妹

鈴心を実の妹のように可愛がっている

永と蕾生に協力して鈴心を仲間に入れようとする


銀騎 皓矢(しらき こうや)


28歳。銀騎研究所副所長

詮充郎の孫

銀騎 詮充郎(しらき せんじゅうろう)


74歳。銀騎研究所所長

およそ30年前、長らく未確認生物と思われていたツチノコを発見、その生態を研究し、新種生物として登録することに成功した


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