鈴鹿歌音

文字数 2,287文字

鈴鹿歌音さんのコンサートホールがここ!

邪魔したらいけません!

やぁー、黒茨こと黒バラのライブに来てくれてありがとう、姫
    ラビが、ステージにマイクを持ち、立っている。周りの女たちは、目をハートにさせている。

    そして、ラビに向かって叫ぶ。

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子うさぎちゃん!!愛してる!!

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    ラビが、観客たちの声援に答えるような形でマイクに手を伸ばす。

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その言葉を待っていたぜ、姫。今日は、俺の歌に酔いしれるがいい。「 さよなら、君の鎮魂歌  」……聞いてくれ、俺の大事な姫
きゃー!!

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    ラビの歌が始まると女たちの熱気が一気に上がっていく。それを舞洲未来は、何かを占うかのような視線で見つめていた。耳には、イヤホンマイクをさし、大音量で「 第六の幸福をもたらす宿 」を聞いていた。もちろんのこと、インディーズバンドに興味なんてさらさらない。

    舞洲未来が興味があるのは、ラビの残酷な未来の事だった。

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ここに集まった女の人たちは、全員この先の未来は、廃人ね。このライブは、意図して開催されたもの……。やるわね、私の殺された初恋の人の弟……。
    いつの間にか女たちの目の焦点が合わなくなり、空っぽになった状態になっており、乱闘を始める人たちまで出始めた。

    未来は、黙ってそれを見つめていた。黒茨のライブが終わる頃には、女たちは完全な人形になった状態で帰っていくのを未来は見つめていた。

    未来は、ラビと接触する機会を見逃さないようにラビの後を追った。

    ラビが遂にメンバーと別れたのを機に、未来はラビに話しかけたのだ。

    ラビの残酷な未来を……。

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さっきから俺の後をつけている姫に話がある。何故、俺を追っている
バレちゃったか……。バレないと思っていたのになぁ~
バレるに決まってるだろ?俺に何か用か、姫
あなたに残酷な未来を告げに来ました
    ラビは、あまりにも普通の態度で答えを返す。

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何だ……占い師かよ。俺、占い興味ないんだ……。だから、俺に何を言っても無駄だよ、姫
あなたには、大切な兄がいたはずだよ……。あなたにとっては大事で大好きな兄が……
俺の兄は、死んだよ。だいぶ昔に……
そして、ラビさん……あなたも今日死ぬ予定みたいだよ?あなたの兄を殺した通り魔に……
はぁ?!    何を根拠に言ってるんだよ、姫
    明らかにラビは混乱しているのが分かる。未来は、更に提案をした。

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あなたが死なない方法を教えてあげようかな?
俺が死なない方法があるのか?!    なら、教えてくれ、姫!!
    未来の目が青く光る。それは、幻想的かつ魅力さえ感じることが出来たのはラビは覚えている。

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それはね、あなたの魔人の能力で通り魔を廃人にすることだよ
通り魔は、男だろ?!    俺の力は、女性にしか効果がない!!    姫は、見ていただろ?    それに姫には効果がなかった。姫も魔人か?
その通りよ……。私は、あなたを捕まえて今日この場所で起きることを知らせるために会社を早退して、この場所に来たのよ
バカなのか?    姫は、どうして全て知ってるんだ?!    俺の兄の存在とか諸々含めて……
私は、あなたの兄が初恋の人だったのよ。告白するつもりだった。でもあの日、目の前であなたの兄が通り魔に殺されるのを見た。その時に覚醒したのは、この能力。

今回は、あなたが通り魔に刺される……、という未来を伝えようとしたけど……信用してくれるかどうか…… 

    それを聞いていたラビは、思い立ったかのように立ち上がった。

    そしてマイクを手に持ち、通り魔を誘き寄せる為に歌を歌い始めた。

    曲名は、「 さよなら、君の鎮魂歌 」

    先程よりも優しく感じる歌声に狂気など含まれていなかった。しかし、普通の人間たちは、発狂した後、廃人となっていくのが未来には分かった。

clanon213

出てこい、通り魔!!    俺の歌で完全に廃人にしてやるよ!!    俺の歌声を聞けよ!!
    ラビの歌声が町に響く。人々の混乱と発狂したような声があちらこちらで響き渡る。

    その時だった。

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死ね、この糞野郎!!
    刃渡りの深いナイフを持った男が、人々の混乱と発狂の闇の中から飛び出してきたのだ。

    未来は、その時咄嗟に反応を示した。男の怒りは、完全にラビに向けられている。

clanon213

ダメぇぇぇ!!!!
なっ、ちょっ……姫!!    危ない!!
    未来は、目を瞑った。死んだと思ったからだ。しかし、痛みは何時まで経っても襲ってこなかった。恐る恐る目をゆっくりと開く。先程の青い目ではなく、元の赤色ルビーのような目で通り魔を見つめた。

    男の刃物には、血がベットリと付着しており、男は笑みを浮かべる。

clanon213

これで魔人一人を葬り去ることが出来た。感謝しな……
ま……待ちなさい!!
    その時、急に未来に重みがかかり、ラビと共に地面に倒れこんだ。

    未来のワイシャツには、真っ赤な血がベットリと付着している。ラビの反応が薄い。ラビの身体を確認すると、腕に深い刺し傷が見つけた。

    また、未来は大切な人の弟を守れなかった、と悔やんだ。

    その後の事だが、ラビの傷は深かったが、命に別状はなく、しばらくの入院を余儀なくされた。未来は、休みの日には、お見舞いに行っていたみたいだ。病院でもラビは歌を歌い、様々な人を廃人にしたのだとか……。

    いつの間にか未来は、ラビと結婚し、幸せな日常を送っているみたいだ。

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    こんな殺しあいのないダンゲロスもありかもしれない、と未来は思うのであった。

clanon213

そこまでーーーーーーー!!

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登場人物紹介

「 見えるわ……あなたの未来が…… 」


名前:舞洲 未来 ( まいしま みらい )

性別:女

年齢:23歳

職業:OL


特徴:今まで恋をしたことない社会人の女性。学生時代は吹奏楽部でトロンボーンを吹いていた。占いが大好きで友達を占ったりしているが、内容が生々しかったり強烈な事が多かったりする。実家は神社だったりもする。


能力:その瞳と眼鏡に映る未来

眼鏡越しにその人の未来を見ることができる能力。能力発動時、目の色は青色になり、目の輝きが弱まる。この能力のおかげで色々な人の未来を開いてきたことをやや自慢に思っている。だいぶ昔に初恋の人を通り魔に殺害されたことによって覚醒した能力でもある。これ以上、悲しむ人を増やすまいと努力している。


殺意の理由:初恋の人の仇をとる為


作成者:鈴鹿歌音


名前:ラビ

性別:男 (18歳)

設定:女子に人気、インディーズビジュアルバンド「黒茨」のボーカル。通称「黒バラ」。ファンの呼称は「姫」で、ラビファンの呼称は「子うさぎちゃん」。

女顔がコンプレックスで、いわゆる女形であるが、女好きである。「strawberry moonの夜に」「黒茨の姫は人形」「さよなら、キミへの鎮魂歌レクイエム」という楽曲がある。


能力:お人形に捧げる愛 絶叫あいスクリーム

自分が作詞作曲した曲を歌うと、聞いた人は精神が不安定になる。聞き続けた人は発狂し、錯乱し、やがて何も考えられなくなり精神が欠落、中身が空っぽになる。虚空を見つめる。生きてるけど死ぬ。(ライブの余韻とかではない)

その様子は絶頂エクスタシーと言ってるが、そんな快楽的な生易しいものではない。魂が戻ることはない。一度人形になった者は熱狂的信者となる。


戦う動機:人の悲鳴って気持ちよくない?その一瞬のだけに俺は歌う。


製作:南雲あや /きゃらふと

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