第1話

文字数 1,096文字

19:20

森の中の工場

今日の業務は終了です。

また五時間後にお会いしましょう

いやぁ、終わった終わった。

明日は久しぶりのお休みだ……

(猫缶、あったかな?

猫たちが待ってるだろうな)

……
ドアの近く。


誰かが強い殺意のような熱気で見ている。

ん?誰かいる?
やぁ、班長さ〜ん!
今日も疲れたな。

この俺が添い寝してやるよ。

疲れが吹っ飛ぶぞ!

必要ありません
じゃあ、疲れの取れる薬をプレゼントしよう!
それ、ヤクでしょ?
そういえば、今日はこんな遅くまでどうしたんですか?
班長さんのボディガード
ボディガードされるの、アンタでしょ

そうだ、明日は休みだろ?

食事でもどうだ?

猫に餌あげたら考えます
俺よりも猫ちゃん!?
それではおやすみなさい、シャルルさん
いい返事、待ってるぞ♡
19:30

寝室

(やばい、今日は疲れた。

シャワー浴びたい。

でも早く寝たい)

上着を脱いで、タンクトップ一枚になる。


疲れすぎてベッドの上で横になっていた。


そこへ一人の男が入ってきた。

班長、まぁ起きないよな。

一度眠ってしまったら、起きないもんな

オレ、なんでも知ってるよ

班長の生活リズム。

班長が上司に怒られた回数。

班長が猫好きなのも……

ボソボソ呟きながら、ベッドに近づく。


ベッドの上にオスカーを跨るように乗った。


口からは涎が垂れている。

ねえ、その可愛い顔を見せてよ

ううっ、班長がオレの目の前に!

やべぇ、超可愛い

男が寝顔を両手で掴んだ。

はぁ…はぁ……。

そのよだれごといただきまーす♡

おねんねスイッチ、どこにあるんだろう?
あ、あなたは……!
振り返ると、黒いスーツに青いネクタイの男が立って銃を構えている。

見つけてあげるよ!

君の永眠スイッチ!

シャルルは銃を発泡した。


銃声が辺り一面に響く。



頭から血を流している男の襟を握りしめて、窓へ放り出す。

(やはりボディガードしておいてよかったな)

ベッドの上に腰を下ろし、胸ポケットからタバコを取り出した。


火をライターでつけて吸い、紫煙を口から吐く。


天井に向かって、曇り上がった。

(消えろ、下衆ども。

汚い手で班長さんに触るな)

(しかし、ほんとに起きないな……

銃声すごかったのに?

大丈夫か?

心配になってくる)

(この調子じゃ、また襲われてしまう。

今日はつきっきりでガードしてやる。

特別だぞ♡)

朝の光がカーテンから漏れる。


その光で目が覚めると、隣にシャルルさんが眠っていた。

え?

いきなりすぎて胸がドキドキと鼓動を立てる。


こんなに美しい顔が目の前にあるなんて……!


頬が赤らんでしまう。

ど、どういう状況!?

なんでシャルルさんが添い寝してるの?

しかも顔近い〜!

やばいやばい、息がかかってる

色々考えすぎて、魂が抜けたように真っ白になってしまった。
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登場人物紹介

オスカー

工場のB班の班長。真面目で優しく礼儀正しい

シャルル

マフィアのレッドスピリアスに所属している。明るいが少し変わっている

アレクサンドル

金持ちのお坊ちゃん。シャルルの部下。かなりのクズだったが、色々あって心を改心した

ローズ

救護担当の看護師。腐女子

テオ

シャルルの部下。サイバー攻撃が得意。見た目とは裏腹で、かなりドライ

アベル

「レッドスピリアス」のボス。土壇場にならないと本気を出さない。トラップに弱い

カミーユ

最も信用できる男。主に医療関係の仕事をしているが、なんでもこなせる

セルジュ

何も考えないで動く筋肉バカ。

甘いもの大好き

アレクサンダー

女の子が引くほどの変態。

口調がコミュ障っぽい

ウラジミール

ロシアのマフィア。かなりの強欲だが、意外と泣き虫

橋本

日本のヤクザ。「レッドスピリアス」を脅している張本人。

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