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白波に盗まれた君
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第2話
文字数 869文字
泊まらせてくれてありがとうね! おばさん達にもヨロシク言っといて
おー。気を付けてな
引っ越しは悲しかったけど、意外と会える距離だね。一人旅も中々オツですな
まぁ、俺らも高校生だし。行動範囲も広がるだろ
だね。子どもの頃はあの海しか遊び場が無かったのに
既読スルーすな
何て返したら良いか分かんなくなった
お盆は色々あるからね
サナはライフセーバーになるだろ?
うん。てか、ライフセーバーになるってお葬式の時約束したじゃん
何か色々考えてみたんだけど。それだけじゃないかなって感じもする
例えば?
海上保安官とか
海の警察ってやつだね?
港湾局ってのもあるらしい
なにそれ?
危ない海を管理するみたい
既読スルーすな
なんか、色々考えちゃった
夏だしな
あの時、立入禁止の看板があったら、俺らは入らなかったと思う?
新しい柵は高いから、諦めたかもね。小学生が越えられるような柵じゃないし。怒られるのも怖いし
俺もそう思う。柵を越えてまでは行かなかった気がする。タカが死んだあとじゃん? あそこに柵と看板付いたの。立入禁止のやつ
うん
そこに書いてあったんだよ。海上保安署とか港湾局って
そうなんだ
危ない場所を管理する仕事も良いかと思ってさ。最初から立入禁止にすれば、タカみたいな奴も減るだろうなって
柵付けても、越える奴は越えるんだろうけどさ
そうだね
昔の俺らみたいに、危険が分からない人はたくさんいると思うんだよ
だから、発信していくのも大事かもしれないって
うん
だから、ライフセーバーにはならないかもしれない。約束破ってごめん
うん、わかったよ
本当は直接言いたかったんだけど、何かタイミングが無くて
いや、あったでしょ。海に花流したときとか、墓参り行ったときとか、晩御飯のあともダラダラ、テレビ見てたじゃん
俺なりの言えそうなタイミングが無かったんだよ!
はいはい。ユーキの気持ちは分かりましたよ
うん
まぁ、とりあえずあたしは水泳頑張ろうかな
俺もそうするわ
タカはきっと、あたしらがどんな人生送ってもスゲーな! って言うよ
確かに。スゲーな、が口癖だったからな
もうすぐ電車降りるー。家着いたら連絡するね
おー
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