東北新幹線

文字数 1,359文字

 2024年2月になった。
 ノリタカは、それから、彼女と付き合うようになった。
 世間でいうところの、恋人になった。
 長澤まさみに似た彼女は、ナギサと言った。
 ノリタカとナギサは、あれから、LINE交換をして、よく話をしていた。
 2024年2月10日。
 ノリタカは、ナギサと東京駅にいる。
 ノリタカは、少し、喫茶店にいる。
 少し、ノリタカは、スマホの音楽で、いきものがかり『じょいふる』を聴いてウトウトした。
 …
 東海道新幹線ののぞみ号で、これから、新大阪駅まで向かう。
 東京駅から、品川、新横浜、名古屋、京都、新大阪駅と向かう。
「ノリタカは、単純だね」
「何が?」
「だって、新幹線乗りたさのために、これから、大阪まで行くもん」
「まあな」
 そう言いながら、ノリタカも、少し、新幹線だけでは駄目だとなって、USJにも行くことになった。
「ほら、ノリタカの好きな、新幹線だよ」
 と言いながら、ナギサも、のぞみ号の車両を、スマホの写真で撮った。
 2024年2月10日。
 東京は、晴れ。
 ノリタカとナギサは、二人で、牛カルビ弁当を買った。
 ノリタカとナギサは、東海道新幹線のぞみ号新大阪行きに乗車した。
 40代後半になったノリタカは、興奮していた。
 何しろ、ノリタカは、10代の時、修学旅行で、大阪へ行ったが、殆ど、クラスメイトと話ができず、ポツンとしていた。
 大阪の地下鉄御堂筋線に感動しただけで、他は、何にも思い出がなかった。
 しかし、人生は分からず、10代の時、同級生の女の子が、ブルマー姿で走っているだけで、喉がカラカラになったが、今では、違っていた。
 ノリタカは、ナギサと車内へ入って、そのままくつろいだ。
 車窓からは、東京駅の光景が見える。
 ナギサは、何やら、お菓子とジュースを広げた。
 ノリタカは、ナギサが、まるで、学校時代の同級生または、自分の母親みたいに思った。ノリタカは、小さい時、母親のマサミとよく小田急線や東海道線で、神奈川県の藤沢とか小田原までついてもらった。京急快特で、三崎口まで行った。
 新幹線は、東京駅を出発した。車窓からは、JRの在来線が、見えてきた。
 いつもの日常から非日常の世界へ向かっている。
 品川では、京急快特が見えてきたが、そのまま、いきなり、ナギサと大阪まで行こうとしているこの状態は、何だと思った。
「ユニバへ行かない?」
「良いよ、行こう」
 なんてその場のノリで言った。
「ノリタカ、京急快特だよ」
 とナギサは、母親みたいに言った。
「うん」
 とノリタカは、子供みたいに頷いた。
 そして、東海道新幹線のぞみ号が、新大阪駅についたら、ノリタカは、背丈が、ナギサの身長以下と気がついた。
「あれ、どうなっているのか?」
 と思った。
 …
「ノリタカ…?」
「ああ、ナギサ」
「こんなところで、寝ちゃだめだよ」
「ああ」
「今日は、これから、東北新幹線で、仙台へ行くのでしょうが」
 そうだった。
 土日。休んで、東北新幹線はやぶさで、東京駅から仙台駅まで行くのかとノリタカは、思った。仙台で、牛たん焼きとずんだ餅を食べに、わざわざ、東北新幹線はやぶさ号に乗るのだから。ナギサは、こんな人だったのだろうか?
 だけど、彼女のそんなバイタリティーに呆れながら、これから、東北新幹線はやぶさで、仙台へ向かったのだった。
 
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