3 ✿ 咲良とジョン 一本勝負!

エピソード文字数 748文字

作が審判者となり、咲良とジョンは一本勝負を行うことにした。

提刀姿勢で向かい合い目礼する。

帯刀姿勢で前進し、腰を落として構えた。

はじめ
咲良とジョンは立ち上がり、試合を開始した。

(ジョンは背が高いから、間合いに気をつけなきゃ)

間合いとは、距離感のことである。

(遠間はとれない、打間から竹刀を封じないと・・・)

( 打間に入られないようにしよう )
ふところに入られないよう、ジョンは剣先で上からおさえこむように攻めた。
( たとえ誰であろうと臆さないわ!)

剣道の練習稽古において、男性と試合をすることは何度もあった。


外国人だろうと誰だろうと、咲良は果敢に挑む。

ぁぁあ!!

打ち気が違う。


これは「敵を負かそう」という一方的な闘志ではない。

(作さんたちと同じ目だ…)

彼女の目の先にあるのは『勝利』じゃない。


勝ち負けは二の次だ。

( この目は、剣先から僕を見透かしている )

勝つこと」しか考えていない剣士は、結局自分しか見ていない。


相手を見ることをたたき込まれた剣士とはあまりに違う。強さも違う。


竹刀を握るジョンの手が汗ばんだ。

こちらも見極めるまで!

ジョンは、一足一刀の間合いから一歩攻め入り、相手を誘い出す。


咲良が前に出ると、その瞬間を狙った。

が「出る」のを待っているのなら…)

咲良はタタッと足音軽く、間合いを詰めた。

……!!

思わず手首が上がり、竹刀にぶれが生じた。


咲良はその瞬間を見逃さなかった。

いやぁあ――!!

パシンッと弾み良い音が響く。


小手打ちが決まった。

勝負あり!

咲良とジョンは帯刀姿勢で下がり、提刀にかえ、目礼した。


壁際で、2人は防具をとる。

お手合わせありがとうございます。
こちらこそ
(彼女は生まれながらの武道家だ…)
 つづく 
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登場人物紹介

帯刀 咲良  (たてわき・さら)


 高校2年生、剣術道場の娘。

ジョン・リンデン


イギリス人

インターポールの捜査官。

天羽 理々(あもう・りり)


高校2年生、咲良の親友

合気道部

ラルフ・ローゼンクランツ


ドイツ人

インターポールの捜査官。

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