第2話 大河ドラマの主人公

文字数 558文字

 物心がついてからは、父親と並んで見る機会はめっきり減ったが、今でも大河ドラマを見ることは私の習慣として定着している。最近では、「時代考証がおかしい」、「着物が派手すぎる」、「実在しない人物が登場している」などとドラマ自体が批評されることも多いが、私は毎年の大河ドラマが非常で楽しみであり、毎週日曜日に主人公に心惹かれ、憧れを抱く。主人公は毎年変わるが、その人物像には一定の傾向が見られるように思う。『勇敢で、豪胆で、行動力があり、時代に立ち向かう。性格は素直で、明るく、優しく、言葉に人情味がある。そして、弱みや悩みを心に隠しつつ、大きな志を秘めている』というのが、主人公のお決まりのパターンのように思える。ある時、私はふと気づいた。『大河ドラマの主人公は、老若男女を問わず、全ての日本人を惹きつける魅力を持った人物として描かれている』ということに。そこで私は思いついた。『仕事上の人付き合いにおいて、大河ドラマの主人公のように振舞ってみよう』と。決して「~ぜよ」、「~でごわす」などと口調をマネるわけではない。『仕事で人と接する際、大河ドラマの主人公ならば、どのように考え、どのように発言し、どのように行動するか』と思い描いて振舞えば、人を惹きつけることができ、人の心を掴みやすいのではないかと考えたのである。 
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