詩小説『わずかばかりの夏』3分の春夏秋冬。季節に敏感でいたい人へ。

エピソード文字数 434文字

わずかばかりの夏

光の差す、畦道の景色。
静かに、蝉の声だけが在る。
無人のバス停で、さよなら告げるつもり。

生温い風。手を引いて虚しさを連れて来る。
私の身体にまとい、あやすように夕涼み。

わずかばかりの夏。
この気持ちは、なにに例えればいいものか。

わずかばかりの夏。
あてがるものもない。君になんて話せばいいか。

想い出は瑞々しく。だけど、乾いている。
想い出すのかしら、夏来る度に。

立ち止まる、消えそうな夏の中で。
まるで幻みたい。宵祭りも、氷菓子も。
それは螢火のように儚く揺れていた。

蝉の鳴き止む静寂の中で、吹き抜けたのは眩し過ぎるあの日と、立ち尽くすだけの今。

わずかばかりの夏。
この気持ちは、なにに例えればいいものか。

わずかばかりの夏。
あてがるものもない。君になんて話せばいいか。

想い出は瑞々しく。だけど、乾いている。
想い出すのかしら、夏来る度に。

耳をすませど、目を懲らせど。
独り泣いた。

あなたに逢いたいと。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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