第4話 高熱の子

文字数 470文字

 学校で中間テストが行われていた。
 僕はテスト期間中が大好きだ。
 別に勉強が好きだとか、成績をあげたいわけじゃない。
 宿題もないし、授業がないからだ。
 おかげで毎回0点に近い。

 義務教育なんだからどうでもいいと思っていた。

 そんなテスト期間も最終日。
 帰りのホームルームで担任の先生が一人の女子を教壇に呼んだ。
 クラスでもかなり可愛いマリナちゃんだ。
 顔が火照っていて、足取りがフラフラとしている。

 やっとのことで、先生のもとにたどり着くと先生が彼女の両肩を掴んでこういった。
「マリナちゃんはこの数日間、38℃以上も高熱の中テストをがんばりました! みんな拍手!」
 僕は驚きと共にマリナちゃんってバカじゃない? と思った。
 だって受験勉強でもないのに、そこまで高熱でテストのために学校に来るなんて……。

 僕が呆気にとられて、彼女を見ていると目と目があった。
 マリナちゃんは顔を真っ赤にして、僕をボーッと見つめている。

 ま、まさか!?
 テストというのは口実で、僕に会いたくて高熱でも学校に来ていたのか!?

 この子、僕に惚れているかもしれない!
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