多島くんの時間と私の時間と6
文字数 821文字
多島くんがカウンターの中から取りだしたものは……
と言って、多島くんはノートを開いた。
そこには、カラフルなペンを使って書かれた由希乃へのメッセージや、かわいいシールが貼り込まれた過分に乙女チックなページだった。
そこには、カラフルなペンを使って書かれた由希乃へのメッセージや、かわいいシールが貼り込まれた過分に乙女チックなページだった。
いやいやいやいや。
俺の調べたところ、女子の人は、手帳や手紙、ノートをこういう風にデコると。
さっき文房具屋で買ってきて、そのあと店番しながら書いてたんだけど、さすがに俺毎回これだと疲れるんで……その、使い方の見本と考えてもらえると助かる。
……どう?
多島くんは、にっこり笑った。
その後、ペンの使い方やイラストの書き方など、由希乃に根掘り葉掘り聞かれるハメになった多島くんだったが、もともと弁当屋のポップを書き慣れていた彼にとって、これらの作業は造作も無いことだったようだ。
低音ボイスでささやく多島くんに、由希乃は息を呑んだ。
ちょっとだけ彼の悪魔的な部分を垣間見て、
(ヤバイ扉を開けちゃったのかも……)
と、ドキドキする由希乃だった。
(了)
(ヤバイ扉を開けちゃったのかも……)
と、ドキドキする由希乃だった。
(了)