多島くんの時間と私の時間と3
文字数 738文字
由希乃が泣き顔を隠しながら、本屋の更衣室に駆け込むと、同僚の女子大生が着替えをしていた。
図星なので、こくこくとうなづくしかなかった。
由希乃は一部始終を同僚に話した。
そもそも、彼氏ともっと仲良くなりたい、彼氏のことをもっと知りたいから、そういうことしたくなったわけでしょ?
だったら目的を見失って、最悪別れることにでもなったら、本末転倒。
――そんな未来、イヤでしょ?
同僚は手を振って更衣室から去っていった。