第1話 修学旅行

文字数 1,622文字


この学校は、1年時の秋に修学旅行を行ってしまう。以降学生達をなるべく大学受験に専念させたい、という理由からだ。

「へんりゃく寺、暴力と欲望の総本山と言われ、一方、世界の宗教指導者達を騙して集め、世界の宗教界での立場を固めようど目論んでいる。変な策略ばかりするあきれた寺、ということで”へんりゃく寺”と巷ではよばれている」

「委員長!」
「何かね山田くん」
「でも世界遺産に登録されたり、国宝なんたらだったりしますが!!」
「まぁ、一般人はそれが重要なことだと思ってしまうのは仕方がない。が、そんなもん皆金で買えるのだよ?へんりゃく寺は昔から金集めが得意でね、つい10年ほどまえかな?日本最大の暴力団から莫大な金を手に入れたほど、金集めが好きで得意なのだよ。政治家とも思いっきり繋がっているからな。上っ面聖人で中身は真っ黒どろどろ、今の日本を生き抜くには最高の見本だ、諸君も見習い給え。」

「いいちょー」
「はい香川くん」
「んじゃ、なんで修学旅行のコースに強制されているんですか?こんな抹香臭いしデザイン変だからきれいじゃないし、来たくないんですが、場所も遠いし、、」
「三千院とか鞍馬行ったほうがよっぽど良いよな?」
「「「「「そうそう!!」」」」」
「それは、旅行会社に聞いてみると良い。答えないと思うが、、へんりゃく寺はイメージアップに金を惜しまないのだよ?」
「「「「「汚ったねーなおとなはっ!!!」」」」」


「おいっ!!そこの学生!!さっきから聞いてりゃあることないこといいやがって!おまえはどこの高校だ!!」
「これは異なことを、しかも人に尋ねるくせに自らは名乗らない、、無礼極まるな、大人のくせに。
 だてに禿ているわけじゃないんだろう?」
「禿って言うな!」
「禿じゃない。というのか?おまえは」
「・・・くっ、、あーいえばこーいう、こむすめのくせして!!」

「論理的に正しく言い返せないと、年齢や性別や人種などを理由に攻めたて自分の位置を優位に持っていこうとするのは、人間がゲスな証拠だぞ?法治国家にはあってはならない思考だ。お前は、もしかしたら、僧兵か?僧兵の思考そのものだからな、お前の思考は。」
「馬鹿者!!わしはこの寺の正真正銘坊主じゃわい!!」
「僧階は?」
「え?」なぜ知ってんのそんなの?

「 そ う か い は? な ん で す か ?」
「(くっ!ホントは律師だが)僧正じゃい!!!」
「フンw,最もビジネスライクなへんりゃく寺の僧正がこんなところで、そんな貧相な服で、金にもコネにもならない子供相手に油売ってるわけないじゃないですか、、見る所、権律師か律師あたりでしょうかね、、」
「くっ!!!」

「日本にはA山ほど純粋な資本原理主義宗教団体は他にない。ほかはちんけなものだ。神社元締めも本庁も利権の巣窟になっているが、A山の足元にも及ばない。そこで、こんな子供相手に、自らの所属階級名前を明かさずに、威圧的に脅迫してくる足りないのは、精々律師どまりだ。日本最大暴力団と懇意にできるのは、拮抗しているからだ。他業種でトップ同士が結びつくのは、資本原理主義社会においてはごく自然なことなんだよ。
禿、君は日本最大マフィアで地方の組長になれるかね?その資質があると思うかね?周囲に聞いてみると良い。一般にわかりやすく言うと、中小企業の係長か課長がやっとやっとの資質だよ。それが日本最大の中にはいってしまったら?係長になれれば御の字だろう?」
「いいんちょー、泣いているんでやめたげてー」
「鹿島くんの優しさに感謝したまえ、仏に感謝は必要ないからな?現実を見て生きろよ?」
走って逃げた、
「「「あ、転んだ、立てない、、号泣している、、、」」」解説するほどやつに突き刺さっているぞ?

「さて、こんなところにあまりいると穢されるからな、早々に立ち去ろう。バスの駐車場周辺に茶屋があった。ぼったくり茶屋ばかりだが、ここで穢れに汚染されるよりはマシだろう。」
「「「「「はーい」」」」」
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