第1話

文字数 1,440文字

幸せに両親と暮らしていた薫(かおる)の幸せは翌日に消えた。

薫はパジャマから衣服に着替え寝室を出た。

その後、薫はダイニングに向かった。

「誰もいない」

いつも朝ごはんを両親と食べていた薫は立ち尽くした。

そこへ母親が現れた。

「薫」

「……」

薫は振り返り母親を見つめた。

「朝ごはんの準備できてないね、具合でも悪いの?」

「薫、あの方の元に行きましょう」

「あの方?何、言ってんの?」

「薫なら気に入ってくださる、薫、行きましょう」

母親は化け物に変身した。

「嘘だろ」

薫が驚いた顔で見つめたその時、背後から父親が声をかけた。

「薫」

「……」

薫は振り返り父親に言った。

「母さんが化け物に変身した」

「こんなふうに変身したのか」

「……」

父親も化け物に変身し薫は後退りをし化け物の母親に捕まった。

「あなた」

「あぁ」

「母さん、離せって」

離れようと薫はもがいた。

化け物の父親は薫に近づき顎を掴んだ。

「……」

怯えた顔で薫は化け物の父親を見つめた。

化け物の父親は薫の顎を掴んだまま唇を奪おうと顔を近づけようとしたその時、化け物の母親が倒れ薫は離れ拳銃を構えながら立っている警察服の男性を見つめた。

「宇宙警察か」

化け物の父親は向かって行き男性が放った銃弾にやられ倒れた。

「母さん…父さん…」

薫は悲しげな顔で化け物の母親と父親を見つめた。

男性は薫に近づき口を開いた。

「あんたは実優(みゆ)に狙われている、あんたは宇宙警察が匿う」

「……」

「行くぞ」

男性は薫の手首を掴み玄関に向かい警察服の女性に声をかけた。

「ヒカル、どうだ」

「今なら大丈夫」

「行くぞ」

手に持っている拳銃を消すと男性は薫をお姫様抱っこしヒカルと共に家を離れ森林に向かった。

ー森林ー

宇宙船の前に着いた男性とヒカルは中に入り扉を閉めた。

ヒカルは操作室に向かい男性は薫をお姫様抱っこしたまま部屋に向かった。

男性は薫をベッドに座らせ口を開いた。

「俺は宇宙警察のリン、薫さん、あなたを匿うため宇宙警察の本部に向かいます、着くまでこの部屋で休んでください」

リンは部屋を出てドアを閉めた。

1人になった薫はベッドに座りながらうつ向き涙を流した。

「母さん…父さん…」

その頃、リンとヒカルは操作室で宇宙船を動かしながら会話をしていた。

「何で薫さんが狙われたのかしら」

「俺にもわからん」

「薫さんに恋したとか」

「まさか」

「そんな理由で母さんと父さんは化け物にされて殺されたのか」

話を聞いていた薫が涙を流しながら口にするとリンは操作をヒカルに任せリンは薫を連れて操作室を離れ部屋に向かった。

リンは薫と一緒にベッドに座り手で薫の涙を拭い抱きしめた。

その後、リンは薫から離れ口を開いた。

「落ち着くまで側にいるから泣きたいなら泣けば良い」

「……」

リンの言葉で薫はリンに抱きつき声を出しながら泣いた。

それから暫くして薫は泣き疲れリンの腕の中で眠りについた。

5時間後、宇宙船は宇宙警察本部に着き中に入り広い場所で着陸した。

「着いたか」

リンは眠っている薫を起こさないようにベッドに寝かせ部屋を離れた。

そこへ操作室からヒカルが現れた。

「薫さんは?」

「泣き疲れて眠っている…ヒカル、俺がボスに知らせてくるから彼の側にいてやってくれ」

「わかった」

「……」

リンは宇宙船を離れヒカルは部屋に向かった。

そしてヒカルはドアを開き中に入ろうとしたその時、目の前に実優が立っていた。

ヒカルは驚いた。

「実優!どうしてここに!」

拳銃で戦おうとしたヒカルは実優の小さな剣と速さで命を奪われ倒れた。

そして実優は薫を連れ去った。
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