6-8 黒雲
文字数 850文字
意識もないまま、苦痛に顔を歪ませて叫ぶ星弥 を見て、鈴心 は金切り声を上げる。
期待を込めて星弥 を見守る詮充郎 の腕を、突然力強く掴む者がいた。
もう、永 の声も届いていなかった。
だが、既に蕾生 の全身は黒雲に覆われてしまい、その黒雲に二人とも弾かれた。
頭は猿、胴体は猪、尾は蛇、手足は虎。
そこにいる獣は紛れもなく、