第12話動画ダンスアイドル 菜々美

文字数 1,214文字

今日の飛鳥目当ての客は、動画ダンスアイドルの菜々美。
赤いスタジャンにミニスカート姿で入って来た。

飛鳥の挨拶は、いつもと同じ、ふんわり癒し系。
「おや、菜々美ちゃん・・・ようこそ」
菜々美が飛鳥の前に座ると、アップルミント風味の炭酸水を置く。

菜々美は、「えへへ、飛鳥様」と言いながら、ゴクゴクと飲む。

美鈴が寄って来て、キッチンから香苗も出て来た。

美鈴は笑顔。
「ますますのご活躍、いいなあって、脚もきれいで、いい感じ」

香苗は目を細める。
「最初に見た時は、菜々美ちゃんが幼稚園の時だよね」
「あの頃から美少女で、リズム感が良くて、ダンスも上手、それが実って、美少女ダンサーに・・・いいなあ・・・可愛い!」

菜々美も、長年の知り合いでうれしくて仕方がない。
「美鈴ちゃんだって、スタイルもいいし、ダンスも上手、一緒に踊りたいよ」
「香苗さんは・・・もう上品なお姉さまで、私、今でも憧れです」

飛鳥は、やや、ついていけない話題なので、黙って菜々美の前に、フルーツパフェを置く。

菜々美は、その愛らしい顔をパッと輝かせる。
「きれい!これ・・・アートだよ!」
「動画で使いたいくらい!」
一口食べて、満足顔が、花と咲く。
「あ―――!幸せ!」
「飛鳥様の前で、美味し過ぎ!」

ますます、話について行けない飛鳥に、美鈴が口撃。
「もしかして、菜々美ちゃんのダンスを見たことがないとか?」
「マジにそうでしょ?」

飛鳥は、正直。
「ごめんね、まだ見ていない、噂は聞いていたけれど」
「どうやって探したらいいのか、わからなくてさ」

菜々美は、飛鳥を軽く睨む。
「しょうがないなあ・・・見せてあげようか?」
と、言いながら持って来たタブレットを操作、自分のダンス動画の再生をする。

美鈴
「足がきれい!可愛い!衣装も素敵、セーラー服もいいなあ!」
香苗
「まさに、美少女ハツラツって、目の保養になる・・・」
「私も若かったらなあ・・・」

しかし、飛鳥は、一曲だけ見て、あまり反応がない。

菜々美は、それが気になった。
「飛鳥さん・・・見てくれないの?」

飛鳥は、「後でじっくり見るけれど」と、まず一言。
そして、菜々美を手招き、ブツブツと話をする。
菜々美は、冷静に変わり、「うんうん」と頷いてみたり、「え?」と驚いてみたり。
そして、「はぁ・・・ありがとうございます」と、キチンと頭を下げる。

飛鳥が横を向いたので、美鈴が「何を言われたの?」と聞くと、菜々美は息を「ふぅ・・・」と吐く。

そして小さな声。
「踊っている私が画面全体で小さ過ぎる」
「逆光にならないように」
「背筋が丸い時がある」
「ダンスのステップで、時々、左が遅れる、弱い」
「笑顔に余裕がない時がある」
「・・・厳しいけれど・・・当たっている」

横を向いていた飛鳥が、菜々美を見た。
「菜々美ちゃん、靴は、新品はリスクが多い」
「それと・・・今度一緒に買いに行こう」
「可愛い髪飾りを作る人の店にも、菜々美ちゃんを紹介したい」

菜々美は、途端に目がウルウルとなっている。
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