第3話 3通目

文字数 258文字

甘かった。
自分がそうだったみたいに、僕がいちばん弱くなったら、みんな優しいんだと思ってた。
うん、みんなは十分優しかったよ。
僕が、ダメだったんだ。
誰も、何も、悪くない。
そしてそれが、いちばん弱くなった証拠だ。
自殺する直前、その人が世界でいちばん弱くて、美しいんだ。
今この瞬間にも、自ら命を断つ人は世界中に居る。
次は僕だよ。
だけど、迷惑かけたまま死ぬのは、やっぱり心苦しい。
だから一旦逃げて、お金を振り込もうと思う。
親友、弟、元妻に。
そのお金が途絶えたら、ごめんなさい。
忘れてください。
素晴らしい人生だった。
ありがとう。
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