第4話 いじめを受けている少女

文字数 1,107文字


「こんにちは。中2の女子のツネミです。学校でいじめを受けてます。どうしたらいいでしょうか?」と、電報が届いております。

それでは、いじめの問題は根が深いですから、真剣に占って参りましょう。

………………。はっっっ!見えました。良い方法が3つ見えます。1つは恐らく、ツネミさんは眼鏡をかけていると思います。その眼鏡をトリックとして使うのです。

いじめが何故起こるかと申しますと、被害者の痛みが分からないからなんです。言葉でいくら言っても、顔にも身体にも傷が付かない。よって加害者は自分の罪に気付きにくいわけです。そして、人間本来の攻撃性を抑えられない。

ですので、ツネミさんが傷付いた分だけ自分の眼鏡を割っていくんです。同級生は、少しずつ壊れてく眼鏡に最初は目の錯覚を疑いつつ、徐々に怖くなってきます。誰がそんな暴力的にツネミさんを攻撃しているのか。聞いても教えてはいけません。ただただ謎に毎日少しずつ眼鏡が壊れていくのです。最終的に眼鏡の形状は180度の直線になるくらいが好ましいです。

そうすることによって一週間を過ぎたあたりから、同級生はツネミさんに対し、可哀想と思うようになり、助けてくれる人が現れ、それが友人となります。

これでほぼ解決かと存じます。もし万が一、その作戦でも解決の糸口が掴めない場合、2つ目の作戦を実行しましょう。「転校」するのです。眼鏡が壊れてく同級生に同情もできない生徒ばかりの学校は正直言って、教育水準が低過ぎます。なので、別の中学校に行きましょう。そして、転校初日から例の眼鏡作戦を仕掛けるのです。いずれ助けてくれる友人が見つかるはずです。

3つ目の作戦は最終手段と言っても差し支えありません。そうです。母親に代わりに学校に行ってもらうのです。もちろん「ツネミ」と名乗ってもらってください。お母さんはツネミさんの倍以上生きているはずですので、色々な方法でその環境をはね返す力を持ってます。

ただ、母親はパートのアルバイトをしてますよね?そこに穴をあけるのは賢明じゃない。それをツネミさんが代わりにやるのです。若いうちに同級生と違った環境を味わうことで、世界の広さを感じられます。しかも、その郵便局での仕分けのアルバイトで、もし結果を残したら、そのまま正社員として働くこともできます。そうすれば、昔ツネミさんをいじめた人に届く年賀状や手紙にイタズラや細工を施すことも可能です。夢がありますよね。

世界は広い。絶望を見れば、どんどん暗闇に入りますし、逆に希望を見つめれば、眩しくてサングラスが必要になります。ちょうど良い明るさの場所を見るのです。以上、ツネミさんの更なるご活躍を願ってます。ごきげんよう。
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