2.お別れ
文字数 377文字
友人の名を呼びながら村中を探し回る。
しかしどこにも彼女は見つからなかった。
村の大人たち一人一人にも声を掛けて回ったが、誰も知らないという。
隠れるような場所も意味もないはずだ。こんなに僕が名を呼んで探し回っているのだから、すぐに気づいて出てきてくれてもいいはずだ。
一人の大人が言った。
「魔族に連れていかれたのかもしれない」
魔族とは、今ではあまり聞きなれないが、村の外、外界に潜む獣たちと同じように、いやそれ以上の脅威として確かに存在する種族だ。魔族は人を襲うのだと、御伽噺で聞いたことがある。
どうしよう。早く助けなければ。
だけど僕には大した力などなくて、大人に助けを求めても魔族が相手ではと首を振るだけだった。
それでも大人たちが捜索してくれるとは言っていたが、それがあまり頼りになるものではないと子供ながらにわかっていた。
結局彼女が見つかることはなかった。
しかしどこにも彼女は見つからなかった。
村の大人たち一人一人にも声を掛けて回ったが、誰も知らないという。
隠れるような場所も意味もないはずだ。こんなに僕が名を呼んで探し回っているのだから、すぐに気づいて出てきてくれてもいいはずだ。
一人の大人が言った。
「魔族に連れていかれたのかもしれない」
魔族とは、今ではあまり聞きなれないが、村の外、外界に潜む獣たちと同じように、いやそれ以上の脅威として確かに存在する種族だ。魔族は人を襲うのだと、御伽噺で聞いたことがある。
どうしよう。早く助けなければ。
だけど僕には大した力などなくて、大人に助けを求めても魔族が相手ではと首を振るだけだった。
それでも大人たちが捜索してくれるとは言っていたが、それがあまり頼りになるものではないと子供ながらにわかっていた。
結局彼女が見つかることはなかった。