破壊─あなたは満月、私は新月─

文字数 275文字

暗い夜空に
煌々と輝いている月
月はある人にとっては
暗い夜道を照らしてくれる
道しるべのような
心を励ますものなのでしょう

ですが
月を見ていると
私の心は陰るのです

ストーカー
束縛者
支配者らは
私のことを
好きだと言うけれど
あなたが好きなのは
あなた自身
あなただけですよね?

あなたが満月になっていくかのように
満ちていくごとに
私は新月になっていくかのように
削られ欠けていく

ある日
不気味な橙色で
爆発しそうなまでに
肥大した
大きな満月を見ました

その日私は
冬に湖に張り始めた
薄い氷のようになったあとに
破壊され
新月になった
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