傷と粉

文字数 253文字

ある日先生が授業に
石を持ってきて
皆に配りました
やすりも配りました
「磨いて削っていくと
光って宝石のように綺麗になる」
と言うのです
皆は一生懸命 磨きました

ある子の石は
ダイヤモンドのように
ある子の石は
サファイアのように
ある子の石は
ルビーのように
光って綺麗になりました

私は一生懸命磨きました
磨き 磨き 磨き
傷つけ 傷つけ 傷つけ……
それでも光らず
遂に光らないまま
石は全て粉となりました

砂金のように
粉の中に光るものがないかと
私は必死で探しましたが
何もありませんでした

私は粉を舐めてみました
血の味がしました
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