解決編

　みなさんは、誰が何を⾔ったのか、分かりましたか？

 会話の中に出て来る名前は、ヒデ、タカシ、ジュンの三⼈。
　 では「そのくらいにしておけ」と⾔ったのは、この三⼈の中にいる？

 ⼝調に特徴があるヒデは外して、タカシかジュンか……と考えたのでは、正解にはたどり着けません。



 男たちは四⼈いました。
　マンションの駐⾞場に停めたワンボックスからは、『青い作業用つなぎ服を着た男が四人降りてきた。』とあります。電話業者の⾞で先に来ていたヒロは、当然この中には含まれません。


 ここで、「そのくらいにしておけ」という⾔葉の位置づけを考えてみましょう。

 ヒデ、タカシ、ジュンはテンポよく⾔葉のやり取りをしています。特に、最年少と思われるヒデは先輩格らしきジュンにも切り返すなど物おじしない性格がうかがえます。
 しかし、「そのくらいにしておけ」と⾔われた後は、ヒデを始め誰も⾔葉を返したりしていません。  このことから、⾔葉の主は絶対的な⼒を持ったリーダー格の男であることが推察できます。

 したがって、最初の問いかけの答えは、名前が明らかにされていない第四の男、 『リーダー（格の男）』となります。



 次にリーダーの⽴場、役割を考えてみましょう。
 彼らの特殊な仕事内容や他の三⼈の会話から、
  ①リーダーのみがこの仕事の全体像を把握している。
  ②決定すべき事項はリーダーの指⽰を仰ぐ。  この⼆点が推察できます。

　これを踏まえて会話を振り返ってみます。

 ちなみに、「代官⼭だよ」は運転⼿であるタカシ。⽬的地を知らなければ、運転ができません。
「いいから、乗れ」はチームNo.2のジュンさん。リーダーは当然先に乗っていて、 最後に乗るジュンがヒデを急かしたんです。


　正解は……
　・「どこにします？」と聞かれて、場所を指⽰した「寝室でいいだろ」
　・ヒロの関与を知っていたのもリーダーだけなので「そっちはヒロが警備会社の〜」 以上となります。


　いかがでしょうか。あなたの推理は正解にたどり着けましたか？
　たどり着けた⽅も、そうでない⽅も、⾒知らぬハウスクリーニング業者にはくれぐ れも気をつけて下さい。