飯綱町立北飯綱中学校 河田雄大の場合

文字数 696文字

つまらないとは言わせない    河田雄大
 僕は、四月から東京の高校に通います。その高校は、一クラスだいたい四十人ぐらい、クラスはなんと七クラスあるそうです。一方この北飯綱中学は全校生徒四十八名、一緒に卒業する仲間たちは二十人しかいません。全校生徒と一クラスの人数がほぼ同じ。今の僕からは想像もつきません。にぎやかで楽しい毎日になってほしいと思っています。この話を長野市に住むいとこにしたとき、こう言われました。
「人数少ないとつまらなそうだよね、修学旅行とか」
人数の多い学校の人たちはそう思うかもしれません。でも、そんな人たちには僕たちの楽しさは分からないと思います。東京に行っても、絶対につまらないなんて言わせたくありません。いるだけで必ず肝心な時に雨を降らせる長谷くん、満点以外を取ったところを見たことがない国分さん、他にも煮詰まりすぎてしょっぱいぐらいのメンバーが北中にはたくさんいます。だから、つまらないなんてことはない。僕は楽しかったです。
 そして、僕たちは北中最後の中学三年生になってしまいました。後輩たちは隣の中学に通うことになります。ラブライブみたいに廃校阻止なんてできなかったけれど、僕たちはずっと北中のことを忘れません。僕たちにとって中学校と言えば北中以外ないのですから。
成人したら、全員そろって同窓会をしたいですね。長谷君は、それまでに雨男を直しておいてください。僕は東京に行ってしまいますが、みんなはお元気で頑張ってください。必ず遊びに来ます。その時はまた遊んでください。
 少し早い雪解けに
 心に閉ざす学び舎の窓景
 膨らむ蕾は
 四八の方角へ。
      皆様、お元気で。
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