始まり

文字数 357文字

財前一族は、呪われた一族であった。

昔、無実の乙女に対し、罪をでっち上げて斬殺したせいであると聞き伝えられているが、詳細真偽は不明。

一族は呪いのせいで一日の言動に制限を受ける。
日の始まりに勝負事をし、勝者は一日素直に過ごせるが、敗者は一日悪い嘘しか吐けぬ身となるものであった。

勝負は朝四時のオセロで決める。
色々な犠牲を出して試行錯誤した結果、これが勝敗が早く、不公平では無かった。

ジャンケンなどの運に依存しすぎたり、クジなどの八百長要素があるものを行いすぎたりすると、もれなく臓器が破裂して死亡した。

また警察や医療機関などの外部に話したりすることも、舌が爛れたり脳に穴が開いたりしてもれなく死亡した。

乙女の呪いは運や不正、助けを外に求めることを許さなかった。まるで自分がきちんと受けられなかったことを恨むように――。

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