アドレセンス1  変声期迎えんとする少年の鋏は華の蕚処刑す

文字数 237文字

変声期迎えんとする少年の鋏は華の蕚処刑す


麗しき少女の帝王切開痕鋭利な言葉散らばる校庭


耳元へ白き指触れ少年のマスクをはずす少女薔薇ごと


校庭よりいきおいにまかせ蹴り続く小石を孕む猫に打つ夢


「恋したい」と変死体は双生児深みに嵌り少女蹌踉めく


目に見えぬお玉杓子が覆う夜日の丸の染みの下着を洗う

血を流し絶望しても止められぬ蛇口をきつく締める虚しさ


弾け飛ぶ心臓の音恋の日々終焉告げる君への短刀

処女作というは造作もないことと絶望するは非処女たる夜

使われぬ乳房萎みし老婆の夢初恋の彼白き首筋
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