詩小説『春風の汽車』3分の春。別れのあった人へ。

エピソード文字数 481文字

春風の汽車

柔らかい芝に寝転がり、
仰ぐ空には吸い込まれて。

零されたあなたの言葉は、
光の粒が濡らしていた。

手足伸ばし黙って聞いていた。
もうすぐ終わりそうに。

あの日の想い出抱いて、
眠るように、目を閉じた。

春風に包まれたなら、
汽車は静かに加速を始めます。

煙は肌寒い空に、
なにもなかったかのように消えていきます。

あなたを乗せて揺れる、
流れる車窓からなにを想いますか?

独りぼっちの明日へ、
私を連れ去って。

今、風立ちぬ。包まれたなら。
大きく匂いを吸い込む。

短い文を認めて、
ちょうどインクを切らしたから。

切手も貼らずに、
引き出しへしまいこんだ。

飾らないあなたが好きよ。
何色にも染まらないでください。

軋む車輪、別れを告げて
線路は続いて行くのです。

過ぎ去った汽車の、残した風浴びて、
なにもない春です。

春風に包まれたなら、
汽車は静かに加速を始めます。

煙は肌寒い空に、
なにもなかったかのように消えていきます。

あなたを乗せて揺れる、
流れる車窓からなにを想いますか?

なにもない春です。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み