第1話

文字数 306文字

「扉のむこうに、なにがあってもおどろくなよ」
「うん。でももしぼくがおどろいたら?」
「そしたらおばあさんにもわからない、でも、きっとわるいことがおきる。だから扉のむこうに、たとえなにがあっもおどろくなよ」
「うん、でももし――」
 そしておっかないくらいの光がぼくの目を射して、草原に、だれだかわからない人が、重い乳房を。
「どうしておどろいた顔してるの?」
「ぼくおどろいてないよ」だって、もしおどりたりしたら「わるいこと」がおきるんだだらね。でもしょうじき、ぼくはおどろいていたんだ。乳房の重さに。
「うごいてきもちよくして」
 ぼくふきだしちゃった。だって、ここでも(というのはこの段階でも)おどろいちゃったんだからさ。
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