文字数 173文字

少し前まで興味関心のあった宝石が掌からポロポロとこぼれ落ちていく感覚。手を伸ばして拾おうという気も起きず、ただ鉛のように重たい足が慣性の法則に従って少しずつ前に進んで行く。進む先に光は見えず、灰色に霞んだ思い出だけが目の前を通り過ぎる。右や左に一歩踏み出せば、深い奈落の底に落ちるのは想像に難くない。長細く、黒く歪んだ一本橋を歩かされているのだ。


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