ぷんぷんおんぷ

文字数 1,586文字

 みんなはきらきらしたよぞらをとんだこと、あるかな?
 つむぎちゃんはこのあいだ、おんぷにのって、そらのうえをぼうけんしたんだって。
 ふしぎなおはなし、はじまり、はじまり。

ーわたしつむぎ!
 このおはなしは…みんなにだけ、おしえるね。そらをとぶって、きもちいいよ。かぜはきもちいいし、ふわふわ、どこまでもいけるきがするの。
 つむぎはね、ぴあのきょうしつにかよってるの。だけど、ぴあのがうまくない。せんせいにもおこられる。
 そのひのきょうしつのかえりは、
「ふーんだ!ぴあのだいきらい!」
 っておもったの。
 ままのうしろをあるきながら、おけいこかばんをつよくじめんになげたときだった!!なかからつよいひかりがでて、まぶしくてめをとじた!めをひらくと、なにもなかった。すかーとのぽけっとに、なにか、はいった?
 ままはかんかんにおこって、
「おけいこかばんをだいじにできないと、ぴあのさんもおんぷさんもかなしんじゃうよ!」
 っていったの。
 ふん、ぴあのもおんぷもいきてないじゃない、って、おもった。

 へんだなあ、とおもったのは、よるごはんのとき。
 ままがつくってくれたかれーを、すぷーんですくったの。
「いっただっきまあー…」
がきっ
「いたあい!!」
 つるつるしたかたいものを、かんだ。
「なに?!まま〜!!」
 あっ…ままはおふろに、いもうとをいれにいったんだ。
 はにはさまっているものをだしたら、なんとおんぷだったの!
 みんな、しってる?「おんぷ」。おたまじゃくしみたいなの。おんぷをよんで、ぴあのをひくんだ。すぷーんにすっぽりはいるくらい。
 まあるいぶぶんに、ながあいぼう、しっぽがひらひら、ついてるの。そのまあるいとこに、くりくりのめがふたつ、ひかったの!そのおんぷがかれーをぶるぶる、おとしてわたしにいったの。
「つむぎちゃん、がくふをなげちゃだめでしょう!わたしたちだって、すきでせまいがくふのなかにいるわけではないのよ?」
 びっくりしてるとまどのほうから、こつん、こつん、となにかがあたるおとがした。かーてんをあけたら、おんぷのなかまがたくさん、いたんだ!かえるとちゅう、じめんにかばんをなげたとき、おんぷはみんなばらばらになったんだ!!かわいそうで、まどをあけてあげた。
 いきおいよく、たくさんのおんぷがかぜといっしょにおへやにはいってきた!
「ありがとう!つむぎちゃん。」
 おんぷたちはぷかぷかしていた。
 ぷんぷんしたおんぷは、くるっとわたしのほうをむいた。
「ちゃんとぴあののれんしゅうするなら、これからいっしょにそらをとんであげるよ。」
「そらをとべるの?!わたし、いっぱいれんしゅうする!!」
「そ。じゃ、のせてあげる。」
 ぷんぷんおんぷはだんだんおおきく、ぴんくいろの、おうまさんみたいになった!わたしはぴょん!とのってみた。
「いくよー!しっかり、つかまって!」

 ぷんぷんおんぷはわたしをのせて、すごいはやさでかぜをきる。
 なかまたちもつきのひかりをあびながら、きらきら、えめらるどぐりーん、そらいろ、いろんないろにひかった。
 ぐんぐんそらをのぼって、くもをよこぎって、わたしはたかいところにいたんだ。
 ずーっとしたに、まちがみえる。
「きれいだね。まちもおんぷもつきも、きらきらしているね。」
「たのしいでしょ?ぴあのをだいじにひくとね、こんなきらきらしたきもちになれるよ。」
「うん!あ…わたし、といれいきたい!」
「えー!」
「もれちゃう!」
「しょうがないなあ…」

 ーつむぎ、つむぎ!

 ままのこえ。
 あれ、へやにわたし、もどってる。ねちゃってた?
 がくふとおけいこかばんが、ゆうごはんのてーぶるのそばにおちていた。がくふをみると、おんぷたちはもどっていた。
 でも、そのなかのいっぴきが…わたしに、うぃんくしたんだ!!

 それからはぴあのをひくと、きらきら、そらをとんでいるきがするの!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み