第2話

文字数 675文字

 おや?やっぱりこの本が読みたくなって戻って来ちゃったんだね?いっただろ?運命だって… 

それにしても、もんのすごい風だ…!台風が近づいて来てるのか…?
窓に木の枝とか飛んでくんじゃないかと不安になって顔を上げると、窓ガラスには見たくもない自分の顔が写ってしまう。
とても男らしいとは言えない顔だ。
はぁっとため息をついてカーテンを閉めた。

「ごはああああああんだあよおおおおおおおおお!!!!!!」いつもの事なのだが、
いくらなんでも声デカすぎるだろ…
母さんが呼ぶ声が聞こえたので部屋を出て食堂へ向かう。
食堂に着くと、とおるが一足先に来ていたようだ。

別に先を越されて悔しいとか思ってるわけじゃないけど…

「今日はカレーライスよおおおおおおお!!!」だから声デカいんだって…もうこんな近くまで来てんじゃん。
ま、カレーライスは嬉しいけどね!
大!大!大!好物なんだ!!
父さん、母さん、とおる、そして俺。
四人がみんな席について、一斉に「いただきます」を言う。
ご飯の時は、いつもみんな揃うこと!これが我が家のルールだ。

うちの家族は、みんな仲が良かった。
でも最近はどうも父さんたちの仕事がうまく行ってないようで、父さんは機嫌が良くないし、母さんともよく喧嘩するようになった。

今夜も夕食が始まって数分もすると言い合いがはじまった。
今日は部活が長引いてお腹がぺこぺこだった俺は、カレーライスをたくさんおかわりするつもりでいた。
けど、こんな気まずい状況になっちゃあ、おかわりは出来ないか…
いっぱいめを食べ終わったら、なるべく目立たないようにさりげなくその場を立ち去るしかなかった。
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登場人物紹介

堀内 聖汰(17)

堀内 徹

マスチェル(17)

クリスティーナ(?)

レベッカ(14)

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