あえぐ声を聴きながら、中学生のころの自分が

文字数 175文字

 誰も知らない国にいきたいと思っていた。
 誰もぼくのことを知らない国に。

 そのときにはぼくは朝ごはんすら飲み込むのがむずかしくなっていたんだ。体重は減りつづけ、風が吹けばふきとばされ、雨が体に刺さるように痛かった。もう体育の授業には出られず、学校にぼくの居場所はなかった。ぼくには価値がない。お母さんごめんなさい。あなたを護れるひとにはなれなかった。
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