白い歯 舌見せて チョコミント

文字数 647文字

 それは、友達の誕生日会での話。
 夏休み中の誕生日会ってのは、学校のある時期に招待も出来ないで色々とややこしいものだが、まあ行われる時もある。
 そして、ザ・お誕生日会なメニューにプレゼントお渡し。
 それからの、夏休み中だからこそのデザート、アイス。
 招待された子供の人数分、しっかり用意されていた中、出遅れた子供に残されたのは

 チョコミント

 好き嫌いがきっぱり分かれる

 チョコミント

 味が嫌いな人からは歯磨き粉の味と呼ばれる

 チョコミント

 子供用歯磨き粉なら好物なキャラも居るっちゃ居るけど、ミントは大人向けの風味だよねって感じの

 チョコミント

 まあ、大人になればあのスーっとした感覚も平気にはなる。だが、小学生の口には無理だった。チョコは分からず、ただひたすらに口が辛い。八月に放映されがちな映画に出てくる飴の中で、子供に嫌われがちなのが薄荷味。フルーツ味を食らいつくされて薄荷だけ残ってしまう位に子供の口には合わないミント。
 これが、飴であったなら、隙をみて吐き出すことも出来ただろう。だが、アイスである。食べるのもきついが、食べなければ八月の暑さで溶ける。冷房などない環境だった気がするから、それはもう溶ける。しかし、ミントの刺激は子供の舌には辛い。
 違うアイスをと提案されたが、申し訳なくて首を振った。なんなら、「歯が痛いから」と言おうとした。しかし、それも出来ないままになんだか誕生日会は終わった。楽しい筈の友達の誕生日回。ケーキは甘かったが、良く分からない方向にしょっぱく終わった。
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