【魔女の食事】その1

文字数 685文字

これを見なさい。
2018/09/23 21:36
クッキーだな。
2018/09/23 21:37
そう、これはわたし特製のクッキー。

生地に特殊な小麦粉を使い、同じく特殊なハーブを練り込んであるの。

食物繊維豊富で、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンFに富んでいるわ。

2018/09/23 21:37
ビタミンFは存在しないけどな。
2018/09/23 21:42
おまけにとってもカルシウミー。
2018/09/23 21:42
カルシウミー。
2018/09/23 21:44
さらには各種栄養素もばっちり。

これで忙しい朝も十秒——いえ、五秒でチャージ!

2018/09/23 21:45
五秒でチャージ。
2018/09/23 21:46
だからね。
2018/09/23 21:47
おう。
2018/09/23 21:47
このサラダは、残してもいいと思うの。
2018/09/23 21:48
駄目だ、食え。
2018/09/23 21:49
何故なの!?
2018/09/23 21:50
ひとつ。この野菜は島の農家が丹精込めて作った野菜だ。

ふたつ。このサラダは俺がその野菜の魅力を存分に引き出したサラダだ。

みっつ——は。

2018/09/23 21:51
みっつは?
2018/09/23 21:52
お残しは、許しませんで!
2018/09/23 21:52
くっ……!

圧力には屈しないわ!

2018/09/23 21:54
圧力をかけているのは、むしろおまえだ。
2018/09/23 21:55
ふっ!

たとえ残したとしてもわたしにはこのクッキーがある。

従って飢えることはないのよ。

それとも、無理矢理口にねじ込むつもり?

2018/09/23 21:55
いや、そんなことはしない。
2018/09/23 21:57
でしょうね。
2018/09/23 21:57
ただ、そうなると……。


2018/09/23 21:58
そうなると?
2018/09/23 21:59
この屋敷の光回線はいらないから解約だな。

俺は自分のスマホがあれば事足りるし。

2018/09/23 21:59
いやあああああ!?
2018/09/23 21:59
わかったら、食え。

ちなみに各種アレルギーがないことは、じいさんの雑学帳で把握済みだからな。

2018/09/23 22:00
い、一体いつの間に!?
2018/09/23 22:03
【魔女の食事】その1

基本的に、我々人間と変わらない食生活である。

が、多くの魔女は偏食であり、甘いものと紅茶ばかりを摂取しようとする。

大抵は栄養に配慮したと主張し、実際総合栄養食のような甘味を作り出すが……。

希に栄養配分を見誤って倒れる者もいるので、要注意である。

2018/09/23 22:03
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登場人物紹介

二言三言(ふたこと みこと)

魔女。

由緒ある家の出(らしい)

なんだかよくわからない性格をしている。

祖父の世話になっていたらしい。

雑学帳にあることを参考にするといっているが、その雑学帳は魔女本人が祖父に語った内容のはずである。

鷹巣藤矢(たかす とうや)

主人公。

祖父の遺言で古びた屋敷の管理をすることになる。

その際、魔女と出会う。

鷹巣一矢(たかす かずや)

主人公の祖父。故人。

藤矢に古い屋敷と『魔女の雑学帳』という大量のノートを遺す。

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