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文字数 931文字

うぁ こまったぞ。
まさか こんなことになるなんて……。
どうしよう……。

えーと…… 突然ですが
ベイビーのパパです。

あのね キミにお話があるんだけど 聞いてくれるかい?
ベイビーとママには 内緒だよ。

実はね……
タマゴを作ったのは ボクなんだ。
クレイをこねてね レモンイエローにぬってね。
ベイビーのベッドに こっそり入れておいたのも ボクなんだ。
ちょっとした サプライズのつもりだったんだよ。

そして 今朝 取り出しておいたんだ。
気づかれないように そうっとね。
それから 正直に話そうと思ってたんだ。

でもね ベイビーが肩をふるわせて 探すのを見ていたら
話すのはやめておこう そう思ったんだよ。
だって ベイビーとタイニーは トモダチになったんだからね。
とつぜん トモダチがいなくなったら キミもかなしいだろ?
タイニーは ボクのいたずらだから トモダチにはなれない……?
キミは そう思うかい?
でもさ キミも知ってるだろ?
夢と心は つながってるんだよ。
ベイビーは いま かなしくてしかたないから
まだ 気づいてないけどさ
ベイビーの胸の中には タイニーがいるんだよ。
心の中にいるんだよ。

かなしみはね 階段に にてるんだ。
うす暗くて ひんやりしていて さみしい階段……。
ベイビーは いま そんな階段をおりてるところなんだ。
1段ずつ 涙をふいたり 鼻水をすすりながらね。
最後の段を下りると 目の前に部屋があるんだ。
小窓から 暖かい明かりがもれる かわいい部屋さ。
その部屋に タイニーがいるんだよ。
ベイビーの足音に 耳をすましてるんだよ。
コツコツ コツコツ。
ベイビーが ノックしてくれるのを 待ってるんだよ。

だから いまはね さみしくてもいい。
ボクは そう思うんだ。
ベイビーとタイニーは またいっしょになれる きっとね。
キミも そう思うだろ?

いまは ふたりが会えるのを 見守っていようと思うんだ。
もちろん 時がきたら ちゃんとあやまるよ。

それからね……。
ひとつ 不思議なことがあるんだ。
ほら あの手がみなんだけどね。
「ダ コ シ テ ……」の あの手がみ……。
いったい だれが書いたんだろう……?
ボクは 書いてないんだよ。

ねぇ キミは だれが書いたんだと思う?
知ってたら 教えておくれよ。



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