第3話ローストチキンの思い出

文字数 611文字

私は家政学部食物科出身です。理学部、医学部出身の兄夫婦からは「大学でお味噌汁作ってるんだ」と笑われたものです。
物理学も数学も英語も高校で大嫌いになった私でしたが、料理だけは好きでした。ですので、お味噌汁を作る大学と言われても別に気になりませんでした。
調理実習ではいくつか印象に残る思い出があります。今回はローストチキンを作った時の事を紹介します。
頭と足のついた羽をむしった鶏が食材として用意されました。
頭と足を切り落としたことは記憶に残っていません。記憶に残したくなかったのかもしれません。
こんな(面倒な)料理2度と作らないといった友人の言葉と私費留学していた台湾の女性を思い出します。彼女は頭と足を持ち帰るといいます。
「どうするの?」
「茹でて舌の部分と足の裏の部分を皮を外してたべるの。」
「良く動かすところだから、おいしい。1羽からちょっとしか取れない貴重な部分よ。」
つけだれは酢醤油だったか、からし醤油だったか覚えていません。
アルバイトでお金持ちのお宅で料理をするといっていた彼女はとても陽気な人でした。
鶏は羽を足で押さえて首をサッと切り取って食材にするそうです。
この方法も彼女に聞いたのか、それとも農家の方に聞いたのか判然としません。
ローストチキンの味も作り方も記憶には残っていません。
けれど、毎年クリスマスの時期に丸どりがスーパーに並ぶとローストチキンを焼きます。
私にとってはおせち料理と同じ行事食となっています。
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