第1話

文字数 422文字

いつもと同じ朝だった。
無機質な白い天井と壁に囲まれて目を覚まし、伸びをしてから立ち上がった。
「今日で訓練生も終わりかぁ」
思わず呟くと隣から声が返ってきた。
「何しんみりしてんだよ。いつもと変わらねぇじゃんか」
僕が生まれた時から隣にいるあいつは、緊張した様子もなく着替え始めた。
「そうだけど、」
いつの間にか支度を終え、外に出ようとしていたあいつを慌てて追いかける。
あいつの言った通り何も変わらない朝の空気は澄んでいて、気持ちよかった。
「〇〇、こちらに来なさい」
名前を呼ばれて振り向くと、先生がこちらに手招きしていた。
「はい」
あいつとは別れ先生の方へ向かった僕は、部屋へ入った。
「██を██しなさい」
ガツンと頭を殴られた。でもその時の返事はずっと前から決まっている。
「了解」

-何も感じなかった-

鮮やかな色で染まった手を見下ろしながら、僕はただただ冷静だった。
涙が一筋頬をつたっただけだった。
僕は怖かった。僕が怖かった。


その日、『俺』が誕生した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ルキ 18歳

フィッツァ―の一人、ギルトの代表。

背は低く柔らかな話し方をするが、内心考えていることには棘がある。

表情と心情が全く一致していない、フィッツァ―の代表。

ヒュウガ 18歳

フィッツァーの一人でクライムの代表。

背が高く無口で近寄り難いが、実際は優しく温厚な性格。

ルキにはリーダーをいつも任せてしまい、悪いと思っている。

カナト 17歳

フィッツァーの一人でオフェンスの代表。

年上(主にルキ)にはすぐ謝ってしまうが、好青年タイプで年下には好かれる。

ライ 17歳

フィッツァーの一人でアトーンの代表。

元の性格は明るいが、‪”‬力‪”‬によって友を失った経験から心を閉ざすようになった。

あまり笑顔を見せてくれないが、これでもマシになった方。

ユウ 17歳

フィッツァーの一人、パニッシュの代表。

ほわほわしていて天然。優しいが仕事はしっかりとするタイプ。

ミナミ 17歳

フィッツァーの一人でシンの代表。

しっかり者で時に冷たいが相手のことを気遣ってる優しい人。

意外と情がありCSに少し疑問を持っている。

セナ 16歳

フィッツァーの一人でリウォードの代表。

元気で明るい性格。語尾に‪”‬っす‪”‬とよく付ける。

基本的に年上には逆らわないが、思ったことは言うタイプ。

アクア 15歳

フィッツァーの一人、バイスの代表。

最年少でフィッツァーになった異端児で、突発的に冷や汗をかかせるようなことを口走る。 

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み