第1話
文字数 422文字
いつもと同じ朝だった。
無機質な白い天井と壁に囲まれて目を覚まし、伸びをしてから立ち上がった。
「今日で訓練生も終わりかぁ」
思わず呟くと隣から声が返ってきた。
「何しんみりしてんだよ。いつもと変わらねぇじゃんか」
僕が生まれた時から隣にいるあいつは、緊張した様子もなく着替え始めた。
「そうだけど、」
いつの間にか支度を終え、外に出ようとしていたあいつを慌てて追いかける。
あいつの言った通り何も変わらない朝の空気は澄んでいて、気持ちよかった。
「〇〇、こちらに来なさい」
名前を呼ばれて振り向くと、先生がこちらに手招きしていた。
「はい」
あいつとは別れ先生の方へ向かった僕は、部屋へ入った。
「██を██しなさい」
ガツンと頭を殴られた。でもその時の返事はずっと前から決まっている。
「了解」
-何も感じなかった-
鮮やかな色で染まった手を見下ろしながら、僕はただただ冷静だった。
涙が一筋頬をつたっただけだった。
僕は怖かった。僕が怖かった。
その日、『俺』が誕生した。
無機質な白い天井と壁に囲まれて目を覚まし、伸びをしてから立ち上がった。
「今日で訓練生も終わりかぁ」
思わず呟くと隣から声が返ってきた。
「何しんみりしてんだよ。いつもと変わらねぇじゃんか」
僕が生まれた時から隣にいるあいつは、緊張した様子もなく着替え始めた。
「そうだけど、」
いつの間にか支度を終え、外に出ようとしていたあいつを慌てて追いかける。
あいつの言った通り何も変わらない朝の空気は澄んでいて、気持ちよかった。
「〇〇、こちらに来なさい」
名前を呼ばれて振り向くと、先生がこちらに手招きしていた。
「はい」
あいつとは別れ先生の方へ向かった僕は、部屋へ入った。
「██を██しなさい」
ガツンと頭を殴られた。でもその時の返事はずっと前から決まっている。
「了解」
-何も感じなかった-
鮮やかな色で染まった手を見下ろしながら、僕はただただ冷静だった。
涙が一筋頬をつたっただけだった。
僕は怖かった。僕が怖かった。
その日、『俺』が誕生した。