第4話  幼馴染

文字数 815文字

 裕翔と美樹は、子供の頃からの付き合いだった。
 父親同士が北大のスキーサークルの仲間で、親友だった。
 裕翔の父親直彦は東京生まれで、実家は東京でクリニックをしていた。
 修学旅行で北海道に来て北大に行くことを決心して、医学部に進学した。
 美樹の父親吉男は、札幌生まれで北大の経済学部に進学した。
 二人は、スキーのサークルで知り合い親友となった。 
 就職や結婚後も二人の友人関係は続き、生まれた子供達を結婚させようとも考えていた事もあった。
 でも、第一子は双方ともに男子だった。
 三年後に第二子に女子の美樹が生まれ、翌年の3月に男の裕翔が生まれた。
 美樹が生まれた、希望が実現する可能性が出てきて親達は喜んだ。

 裕翔は3月の早生まれの男の子で臨月に生まれた事もあり、体重も少なく小さかった。
 身体が小さい裕翔は、小学校ではよくいじめられていた。
 そんな時は兄の直人が庇っていたが、直人が小学校の卒業すると美樹がその代わりになった。
 
 4月生まれで身体の大きかった美樹は、裕翔にとっては姉のような存在だった。
「いつも有り難う。大きくなったら美樹をお嫁さんにするね」
「裕翔みたいな、弱虫はイヤだよ」
「そうか振られちゃったか」
「もっと強くなったら、考えてあげるね」
 裕翔は『頑張るぞ』と小さくガッツポーズをした。
 それでも、裕翔は美樹にとっては弟のような存在に変わり無かった。  
 二人は兄達と一緒に5歳から空手も習っていたが、一緒に習い始めた裕翔は怖いから嫌だと半べそかいてすぐにやめていった。
 
 そんな弱虫な裕翔でも、特技はある。
 彼は絵や彫像などが好きで、作るのも得意だった。 
 小学校の二人の遊び場は、大通り公園だった。
 
 雪まつりが近づくと、二人で雪の彫像を作っているのを観察した。
 裕翔はそれを真似て、側でミニチュアを作り始めると『上手だね』とよく褒められた。
 裕翔は得意になり、美樹に勝てるものができたと喜んだ。
 
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登場人物紹介

上島美樹 フランス大使館に勤める女性で裕翔の幼馴染

中村裕翔  イケメンで美樹とは幼馴染、レディースのファッションデザイナーを目指すがゲイであることに悩む男性

柴崎琢磨  裕翔の恋仲になる美男子だが小柄な男性、裕翔を同じくファションデザイナーを目指している。出世のためにゲイのように装うバイセクシャルだが、マレで有名になる。


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